【名古屋D】クラブオフィシャルカメラマンの柴田祐希さんが語る、オークション開催の背景にある想い【around the basketball 第1回】
バスケットボールを支える人にフォーカスするシリーズ「around the basketball」。
ファインダーを通して名古屋ダイヤモンドドルフィンズを見つめるオフィシャルフォトグラファーの柴田祐希さん。1月27日(土)、28日(日)、仙台89ERS戦の試合会場で写真展『second nature』を開催した。展示写真はチャリティーオークションに出品し、落札金額はドルフィンズスマイル子ども支援「COCOプロジェクト」を通じて、病気で戦う子どもたちへの支援として、あいち小児保健医療総合センターへ寄付される。
https://www.promo.mbok.jp/dolphins-secondnature-auction
柴田さんはなぜチャリティーオークションを開催したのか。インタビュー中、何度の言葉を詰まらせながら、その理由とドルフィンズへの感謝を語った。
――今回のチャリティーオークション開催の経緯を聞かせてください。
柴田:2013年9月に名古屋栄のソニーギャラリーで個展を開催し、2022-23シーズンに撮影した写真をドキュメンタリーとしてまとめて展示しました。おかげさまで多くのドルファミの皆さんが観にきてくださって、「写真がほしい」「販売してほしい」という声を多数いただきました。
ドルフィンズは「ドルフィンズスマイル」というさまざまな地域貢献活動を行なっており、以前から力になりたいと考えていました。そこでクラブに相談し、チャリティーオークションという形で販売させていただくことにしました。
――「ドルフィンズスマイル」には複数の連携先があります。その中であいち小児保健医療総合センターへ寄付をされるのには、特別な想いがあったそうですね。
柴田:弟が子どもの頃に、中務敏宏選手がプロデュースしたドルフィンズ大社の絵馬に手術の成功を祈願したひなのちゃんと同じ「先天性胆道拡張症」の手術を受けていました。その後20年以上元気に過ごしていたのですが、昨年胆管癌が見つかり、その時点ではかなり進行している状況でした。
私がその連絡を受けたのは、昨年の3月19日。パークアリーナ小牧で行われた大阪エヴェッサ戦の前でした。かなり動揺したのですが、なんとか気持ちを立て直して撮影をしました。
この試合は二桁ビハインドで最終Qに入ったのですが、最後の最後で逆転して劇的勝利を収めました。最後まであきらめずに立ち向かう選手の姿に胸が熱くなって、私たちも最後まで奇跡を信じて頑張ろうと勇気をもらいました。
弟は『SLAM DUNK』の影響でバスケが好きだったので、チャンピオンシップの時も沖縄まで試合を観にきてくれました。彼がまだ動ける間に、家族みんなで沖縄を旅行できたことは良い思い出になりました。
今年9月のプレシーズンゲームが最後の観戦になり、その後入院しました。お見舞いに行った時も、姉弟で話すのはドルフィンズの話題が多かったです。
残念ながら弟は旅立ってしまいましたが、弟も私も心が折れそうな時に、逆境でも戦い抜くドルフィンズの姿に支えられました。私たちのように、病気でしんどい中でもスポーツを観て楽しい気持ちになれる、一生懸命な選手たちを観て励まされる方は多いと思います。私の写真で少しでも病気で苦しんでる子どもたちの力になることができたら、こんなにうれしことはありません。
――今回の写真展は「second nature」がテーマでした。どのようにテーマを考えられたのでしょうか。
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