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エース・齋藤拓実が6本の3Pシュートで牽引。BリーグCS QF 名古屋Dが”愛知ダービー”に先勝

「スコット(・エサトン)は2年連続でチャンピオンシップのGame1で怪我をしているので、本当に明日試合に出られるか心配なんですけど……。大丈夫?」

ピリピリと張り詰めていたアリーナの空気が、瞬く間に緩んだ。

試合後のヒーローインタビュー。MVPに選出された名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、名古屋D)の齋藤拓実は、同じくMVPに輝き、第戦への意気込みを語ったスコット・エサトンに軽口をたたいて、観客を笑わせた。

11日、Bリーグの年間王者を決める『日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24』クォーターファイナルの第戦がドルフィンズアリーナで行われ、ホームの名古屋Dがシーホース三河(以下、三河)に78-69で勝利した。

4日前に行われたレギュラーシーズン最終戦の佐賀バルーナーズ戦。要所で連続得点を挙げてチームを優勝に導いた名古屋Dの絶対的司令塔は、CSの舞台でも3Pシュート本を含む21得点アシストをマーク。冒頭のトークもそうだが、試合中に熱くなったショーン・デニスHCをなだめるなど、精神的にも余裕を感じさせる圧巻のパフォーマンスを見せた。

「レギュラーシーズンの最後の数試合で、我慢強さ、粘り強さがチームカルチャーとして出来上がってきた。その粘り強さ、我慢強さをチャンピオンシップの舞台でも出せたのが勝因だと思います。チームとして確固たるものが見えてきたレギュラーシーズンの締めくくりだったので、いい状態でチャンピオンシップに臨めています」

レギューラーシーズン最終盤での連勝が、チームにとっても、齋藤にとっても、大きな自信になったと話す。

だが、勢いという観点では、最終戦でチャンピオンシップ出場権をもぎ取った三河も同様だ。両者に差があったとすれば、チャンピオンシップで味わってきた悔しさの数かもしれない。

シーズン前、デニスHC体制年目のチャンピオンシップは、シーズン終盤で外国籍選手が次々離脱。エサトンとアジア特別枠のパークスジュニアのみで川崎とのクォーターファイナルに臨んだ。さらにエサトンが第戦の後半に負傷。ビッグラインナップが武器の川崎に苦戦が予想されたが、激しいディフェンスで対抗。70-85で敗れたものの、最後までファイティングポーズを取り続けた。

昨シーズンも第戦で張本天傑、エサトンが怪我をして、第戦は人での戦いを強いられた。須田侑太郎らを中心に高確率な3Pシュートで食らいつくも、またしてもクォーターファイナルの壁を越えることができなかった。

「怪我人が多かったんですけど、それを言い訳にせずに全員で戦ってきた。それが我慢強さ、粘り強さを作り上げることができた一つの要因だと思います。
今シーズンのチャンピオンシップは外国籍選手人と日本人選手が全員健康な状態で臨める。過去シーズンより手応えを感じています」

もう一つ、心の余裕を生み出しているのはホームで戦えていることだ。

「チャンピオンシップをホームで開催したいというのは今シーズンの目標の1つだったので、達成できてすごく嬉しいです。試合の入りから一試合通して、ディフェンスのコールなど、ドルファミの皆さんがチャンピオンシップの雰囲気を作り上げてくれているのを感じました。
一つ一つ勝って、明日クォーターファイナルの壁を越えられたらいいなと思います」

 

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