【CS2023-24セミファイナル】名古屋Dが広島に雪辱、初のファイナルへ逆王手
14点のリード。
日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24のセミファイナルGame2 vs広島ドラゴンフライズ。名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、75-79で敗戦した前日のGame1と全く同じ点差で試合を折り返した。
「ハーフタイムのミーティングで『絶対に昨日と同じことは繰り返さないぞ』と強く話しました。3Qをしっかりとリードしたまま終えられて、4Qは少し追い上げられましたが、自分たちのやりたいバスケをして、しっかりと勝ち切れて、Game3につなげられてよかったと思います」(中東泰斗)
「ハーフタイムに入った瞬間から全員がいい準備をして、いい表情で戦える準備ができていたので、3Qの入りもすごくよかったです」(齋藤拓実)
Game1の3Qは3-24と急失速して逆転を許したが、この日はティム・ソアレスの3Pシュートで先手を取ると、オールコートでプレッシャーを掛け、スコット・エサトンが狙いすましたスティールからのワンマン速攻でダンクを叩き込んで、最大点差となる19点のリードを得た。4Qは得点が止まる時間帯があり、4点差まで追い上げられたが、最終スコア84-77で逃げ切った。
試合後の会見で、Game1からの修正点を問われたショーン・デニスヘッドコーチ、齋藤、中東の3人全員が口にしたのが「ヒットファースト」だった。
練習場の壁に張られている「TEAM IDENTITY」の「Feared Team 恐れられるチーム」の1行目に書かれている。
We are physical defensively from the beginning of the game・we set the tone and hit first
試合の出だしからフィジカルにディフェンスをし、トーンをセットする・ヒットファースト
「(ハーフタイムには)昨日相手がやってきたことを最初に話し、今日はヒットファースト、出だしを強くいかないとダメだと伝えました」(デニスHC)
「昨日はリバウンド、セカンドチャンスポイントでやられたので、(今日の後半は)リバウンドの面でのヒットファースト、そして相手がピック&ロールを使ってきた時に引かずに、自分たちから当たりにいってズレを作らせないようにする部分でのヒットファーストを意識しました」(中東)
「これまでどうやって自分たちが勝ってきたのかという部分を見つめ直しました。昨日はヒットファーストが足りなかったので、今日の試合は前半も、後半の入りのところもフィジカルにディフェンスをすることがチームとしてできました。個人としても、最初のボールを運んでくるところに対してしっかりとプレッシャーをかけることを心がけました」(齋藤)
さらに齋藤はGame3に向けての改善ポイントをこう話す。
「今日の後半はドウェイン・エバンス選手がハイポストアタックやドライブでフィジカルにアタックしてきたところで簡単に点を取られて相手のリズムになってしまった時間帯がありました。
前半と3Qの入りで自分たちからフィジカルに戦わないと相手のやりたいオフェンスを展開されてしまう。特にチャンピオンシップはそういう部分が大切になると思うので、自分たちからフィジカルにプレーするところを明日に向けて強化していきたい。
ここ10試合くらいは『自分たちらしさ』をキーワードに戦ってきたので、オフェンスでもディフェンスでも自分たちから走って、アグレッシブに仕掛けて、自分たちのアップテンポなバスケットにしていけたらと思います」
「TEAM IDENTITY」の上にはもう1枚「TEAM CULTURE」が張られている。その最後に書かれているのが下記の言葉だ。
In all situations be us ―Dolphins Pride
いかなる状況でもうちらしくードルフィンズプライド
デニスHC就任後の3シーズンで築いてきたバスケットボールとチームカルチャーに全員がゆるぎない自信を持っている。ゆえに、チャンピオンシップでもやるべきことは何も変わらない。いかなる状況でも、それを体現し続けられるかだけだ。
「勝ちたい気持ちが強い方が(ファイナルに)上がると思う。1個1個のルーズボールやリバンドに全てを賭けたい」とチーム最古参の中東は淡々とした語り口の中に闘志がにじませる。
ドルフィンズアリーナはクォーターファイナルよりさらにもう一段階赤く染まっていた。もう1勝。選手だけでなく、アリーナ全体で出だしから広島を圧倒し、ホームの力でクラブ史上初、愛知県勢初のファイナルの切符を掴み取りたい。