久々の長野フェスティバル開催! B1個人通算1000アシストを自ら祝う【2024-25シーズン 第14節】
りそなB1リーグ第14節 Game1 三河 88-79 川崎(刈谷市体育館)
久しぶりの“祭り”の開催だった。
12月21日、シーホース三河は同じ中地区の川崎ブレイブサンダースと対戦。立ち上がりの約5分間で二桁点差を作られる苦しい立ち上がりとなったが、セカンドユニットが流れを変えた。その中心にいたのが、“三河の奇祭の主催者”PGの長野誠史だ。オフェンスの停滞をドライブ、連続3Pシュートで打開し、チームを勝利に導いた。
12月は連戦の影響もあり、コンディション不良の選手が相次いでいる。この試合も正PG久保田義章の体調が万全でない中、長野は今季最長となる約22分間出場。「コートを縦横無尽に駆け回り、素晴らしいエネルギーをもたらしてくれた。昨日の練習でもエネルギーを出してくれていた」とリッチマンHCはこの日のMVPを称えた。
長野自身も「僕がチームで一番元気ですね。多少の疲れはありますが、大学時代にキツい練習をしてきたので。1回キツい時期を経験すると、それを身体が覚えているので、意外にやれていますね」と涼しい顔。「あとは、柏木(真介/三遠ネオフェニックス)さんと4年間一緒にプレーしてきて、やる時とやらない時のバランスが身に付いてきたのかなと改めて感じています」。
長野は「激しいディフェンスで流れを変えること」を信条とする選手だ。特に石井講祐らと形成するセカンドユニットのゾーンディフェンスは強固で、何度もチームを救ってきた。
一方で長野は3Pシュートが持ち味の選手でもある。しかし今シーズンは開幕戦で二桁得点を挙げて以降、シュートタッチに苦しんでいるように見えた。
「実は……、開幕の茨城戦でいい形で3Pシュートを決めて、自分としても調子がよかったんですけど、2試合目で首を怪我してしまい、その痛みがずっと残っていました。それがだんだんよくなってきて、今日のオフェンスにつながりました」
10得点、9アシストはいずれもシーズンハイ。B1個人通算1000アシストも達成した。リッチマンHCは「今日の長野はディフェンスに加えて、状況判断が素晴らしかった」と絶賛した。
状況判断がよくなったのにはきっかけがあった。「前節のSR渋谷戦の後、佐古(賢一チームディレクター)さんから『みんな目線が下がっているよ。ちょっと上体を上げよう』と言われて、自分の中でも『そうだな』って思うところがあったので、今日の試合はそこを意識しながら試合に入りました。そのおかげでアシストも得点も増えたのかなと思います」。
もちろんそれも昨シーズンから積み上げてきた土台があってのことだ。「自分たちのインサイドは相手より勝っている部分なので、そこはしっかりと狙いつつ、3Pシュートを打てる選手を常に見て、全員でオフェンスを作るということを意識しています。一緒に出ることの多いジェイク(・レイマン)、石井(講祐)さん、(角野)亮伍はどんなプレーが好きを分かっていますし、逆に僕がここにいてほしいと思うポジションにいてくれて、シュートも決めてくれる。1000アシストはみんなのおかげですね」。
続けて、長野流のゲームメイクについても明かした。
「自分は、ディフェンスを頑張った選手にシュートを打たせたいという考えがあります。あとは1本目のシュートを決めた選手は継続的に使いたい。今日に関しては、最初にレイアップを決めて自分の調子のよさを感じたので、自分で3Pシュートを打っていこうという感じでした」
ディフェンスを重視する、いかにも長野らしい答えだ。
「昨シーズンできたことは、今シーズン出来て当たり前。中地区は激しい戦いになっているので、さらにレベルアップしないとCSに出られるかもわからない。タフな試合が続きますが、バスケットボールはチームスポーツ。チームで助け合って、戦っていきたい」
その通りだ。バスケットボールも、祭りも、多くの人と助け合い、熱狂を分かち合うからこそ、楽しいのだ。