社会人野球日本選手権東海地区チームの戦績ふりかえり(2回戦まで)
11月8日に開幕した第48回社会人野球日本選手権大会。
今大会は東海地区から5チームが参加。熱戦をくり広げました。
2回戦までの各チームの戦いをふりかえりたいと思います。
◇三菱自動車岡崎
〇4-0ショウワコーポレーション
●1-2ENEOS
1回戦は開幕試合に登場。クラブチーム日本一になって出場してきたショウワコーポレーションと対戦しました。
4-0で快勝。エースの秋山翔投手が7回2安打無失点の好投。そこから笠井投手、神原投手とリレーして完封しました。
打線では1番豊住、2番小室という今年を象徴する打線を組み、そこ以外は調子のいい選手を上手く並べるという感じ。予選での代表決定戦からも結構打線は動かしています。4番に山田将士選手を置いているのもちょっとびっくりでした。
内藤選手が2ランホームランを放っていますね。
ENEOS戦でもエース秋山投手が先発。6回で7安打を浴びながらも1失点で粘り、北畑投手にスイッチ。その後7回裏に三菱自動車岡崎が追いつくも、8回表に勝ち越されて競り負けました。
都市対抗野球でベスト8、今大会は2回戦敗退となりましたが、今年は久々に存在感を見せた1年となりました。
来年に向けては、投手陣の成長を望みたいですね。個人的には笠井投手の覚醒を期待しています。
◇トヨタ自動車
●7-8ホンダ熊本(延長11回タイブレーク)
1回戦は初回から連打で3点先制するも、そこから2ランホームランで迫られ重い展開に。嘉陽投手も特に調子が良くないながらも、しっかりと試合を作ってリードを保ち、最終回にダメ押し点を取って逃げ切りました。
2回戦はヤクルトのドラフト2位、松本健吾投手が先発。5回1/3で3失点という結果でした。何とか粘ったという感じでしたが、2点勝ち越した直後の失点でしたので、よい内容とは言えず。プロへ行くうえでの置き土産の投球とはなりませんでした。
7回裏に勝ち越して、8回途中から佐竹投手を投入し、逃げ切りを図りましたが9回に古寺選手に同点ホームランを浴び、タイブレークへ。
タイブレークも11回までもつれましたが、ホンダ熊本が制してトヨタ自動車は都市対抗野球に続いての夏秋連覇、昨年に続いての日本選手権連覇はなりませんでした。
トヨタ自動車は野手が3年目以降の選手ばかり。やはり若手の突き上げが欲しいですよね。投手陣に比べて野手が停滞しているイメージです。もちろん現有戦力のレベルが高いというのもあるのですが・・・。
投手陣は1年目の投手が来年には戦力になってきてほしいですね。
◇ヤマハ
ヤマハは初戦敗退。ただ相手の日本通運は強い相手でして、都市対抗本戦でも絶好調の嘉陽投手が相手でトヨタに敗れたということでした。
この試合についてもヤマハとしては出来ることをした印象でしたし、ある程度仕方ないかな、と思える試合でした。
今年はエースとして期待された佐藤廉投手がややピリッとせず、その時の調子のいい投手を探しながら戦う試合が多かった。そんな中でも九谷投手が奮闘。近藤投手も近年では状態が良く、この試合でも素晴らしい投球を見せました。
来年に向けては投手陣の整備が必要。佐藤廉投手にはエースとして一本立ちを期待したいですね。
打線は元々鋭いスイングで大量点、ただいい投手にはもろい、という試合が多かったのが、今年はバントを駆使して1点を積み重ねる戦いにシフト。それが良かったのか、都市対抗野球では準優勝に輝きました。
あとはこの試合のように、好投手に当たった時にどう崩すか、そこがカギになってきそうです。
◇JR東海
●3-4JR四国
初戦でJR対決に敗れ、全国大会での勝利がなりませんでした。
今年は戦力が充実して、都市対抗予選も普通に突破すると思っていたのですが、2次予選で敗退。
今年就任した井上監督にとっては厳しい1年となってしまいました。ただ、そんな中で、日本選手権は予選で突破して第1代表で出場。何とか恰好をつけた形に。それだけに日本選手権で勝ちたかったでしょうが・・・。
JR四国戦では1番山崎選手、4番上神選手、7番山本選手とルーキーを3人起用。若手中心で戦いました。他にも2年目の佐々木選手や高卒3年目の布施選手。その分もろさも出た印象ですけど、来年に活かしたいですね。
投手陣はやはり戸田投手の次、が課題。というか、彼に代わる投手にも出てきてほしいところ。今年戸田投手の球自体は良かった印象ですけどね。年齢を考えると今年以上というのは難しいわけで。
1年目の河村投手は楽しみな左腕。あと辻井投手の一本立ちに期待したいですね。
◇西濃運輸
〇6-2三菱重工East
〇5-0信越硬式野球クラブ
昨年、エースだった船迫投手に林投手がNPBからドラフト指名を受け、更に主力として投げていた鈴木彩隼投手が勇退。公式戦での登板経験があるのが3人くらいしかいない(山下、野田、摺石)ところからのスタートでした。実際にJABA静岡大会ではコールド負け2つを含む0勝3敗と惨敗。ただ、そこからよく立て直して、長野大会、ベーブルース杯で4強入りを果たし、都市対抗2次予選を第5代表で突破。日本選手権予選でもギリギリの第3代表決定戦を、これまた逆転で制して出場。佐伯監督の手腕は素晴らしかったと思います。
ただ、都市対抗野球の本戦では、東海地区の他5チームがベスト8に入る中、唯一の初戦敗退。肩身の狭い思いを経験。
この3年、全国でなかなか勝てない状況の中で迎えた1回戦は強豪の三菱重工Eastが相手、厳しいかな、と思っていたのですが、この試合を快勝。2回戦も突破して東海地区唯一のベスト8入りを決めました。
投手陣は軸になる投手がいない中、開き直って継投で勝負。調子のいい投手を探しながらの継投が上手くはまりました。
打線では1年目の小中選手を4番に据えて我慢。その前後に経験豊富な野崎選手、原田選手を置いて、つながりを作る。今大会では1年目の選手が4人スタメン(小中、左向、修行、宮田)。新人を使って活性化を図り、打線に厚みを出すことに成功しました。
東海地区唯一のベスト8として、更なる上位を狙ってほしいです。