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名古屋LAポニーの体験会に行ってきました。ポニーリーグとは!?その魅力や特徴を含めてレポートします。

11月18日に三好公園野球場で「名古屋LAポニー」という新規チームの体験会が行われ、どんな感じかお邪魔をしてきました。

当日の体験練習参加者は10名。かなり寒い中での体験会でしたが、選手たちはコーチの話を聞きながら一生懸命練習に取り組みました。佐藤監督を含め指導者にも熱が入る中、1時間40分ほど行われました。

今回、取材をする話になったきっかけは11月上旬、知人からLINEをいただき、相談があるとのことでお会いすることに。
その知人の方いわく、今度ポニーリーグにチームを作ろうと動いている。しかもチームの代表になる人はなんと僕も知っている方。近々体験会が行われるので、告知に力を貸してほしい、とのことでした。
「なにそれ面白そう(笑)」
宣伝で力になれるかは分からないにせよ、ポニーリーグって聞いたことはあるけどよく知らない、それを伝えて少しでも知ってもらいたいと思い、取材をさせてもらいました。

〇そもそもポニーリーグって?

「ポニーリーグ」

名前は聞いたことがある、自分の知識はそんなレベル。そんな中、一番その名前を知ったのが、「関メディベースボール学院中等部」がヤングリーグからポニーリーグに移籍する、というニュースを見た時。その時の記事に、同一クラブの中で複数のチームを編成し同じ大会に出られる、選手の出場機会の確保のため、と書いてありました。ただ、それ以上のことを知らない。
この機会に調べてみようとホームページをのぞくと、大きく理念が書かれていました。

指導理念

  1. ポニーの指導者は代償を求めてはならない
  2. ポニーの指導者は暴力を排斥する
  3. 手段と目的を混同してはならない
  4. ポニーの主役は少年たちである
  5. 大人のエゴイズムで少年たちを傷つけてはならない
  6. ポニーは、グランドでも会合でも「機会均等主義」である
  7. 選手の指導をとおして指導者自身が成長すべきである
  8. 選手は自分の所有物ではない
  9. 常に感謝の心で会の運営に当たろう
  10. 協力者があってこそ会の運営が可能である

詳しくはこちら

なにより新鮮だったのが、これらを指導理念として大きく謳っているところ。
最近は暴力、暴言禁止を謳うチームやリーグが増えています。そういう大会もあったりします。しかしこれをリーグ全体で一番に示しているのは初めて見ました。
実際にイエローカードの運用もあるようで、試合中に(暴言などで)2枚出てしまうと退場しなければならないそうです。
俄然興味が湧いて、この名古屋LAポニーを作るために奔走している、松井代表に話を伺いました。

 〇松井代表インタビュー

 チームを作るきっかけは、このチームでもコーチの中心を務める、野球塾「Be an Elite」の代表、松本憲明氏の塾の小学生から、中学生になった時に入るチームを作ってほしいという話が出たことだった。松井代表が高校野球監督時に、松本憲明氏がピッチングコーチをしていた縁があり、昨年の2月から2人が中心となって話を進めてきた。
「まずは、それぞれの人脈から、野球観の合うメンバーが集まってスタッフを形成。
監督には、私立高校の監督を務めていた佐藤監督を招聘。松本憲明氏の高校時代(愛工大名電にて甲子園出場)のチームメイト2名もスタッフ入りしています。
現在12名の入団が決まり、来年3月からのクラブ発足に向けて着々と形になってきているところです。」

 スタッフについてはボランティア。これはポニーリーグの理念にも謳われています。そのスタッフには色々な方がみえるようで・・・。
「スタッフ陣には、高校時代に甲子園に出たが現在は野球から離れていた方、子ども二人が高校野球を終えて物足りなくて、高校野球のコーチをやっていた方、夜間定時制高校の先生や中学校の先生もいます。現在、中学校の部活は外部委託制度が進められていて、野球の指導をしたくて先生になったのに思うようにやれない方もいる。公立高校もその流れを受けて、以前のように教員が部活に打ち込むということができなくなっている。そういう方の受け皿になれればいい。ただし、ポニーの理念に同意してくださる方が条件です。」
ボランティアでの参加なので、その方の負担にならない程度に交代でやっていければ、と。参加を強制せずに、野球観が同じ方で集まってやっていきたいとのことです。

 チームを作る上では、シニアでもボーイズでもヤングでもなく、ポニーリーグありきだったそうです。
中学生のチームを作る上で自分たちの育てたい選手、チームとポニーリーグの理念が一致したと。
「一番大きいのはリエントリー制(一度引っ込んだ選手でも再出場が可能)。試合をなるべく均等に経験させる上で、代打で出た後に守備を考えて出せなかったりしたことが無くなるので。これで出場機会もしっかりと確保が出来る。」
選手を育てる上で、大きく謳っているのが、高校1年生から試合に出られる子を育てること。バッターは全員がスタンドインのホームランが打てる。投手は130kmを投げる。
松井代表、佐藤監督ともに高校野球の監督を務めていたため「高校の監督がすぐに使いたくなる選手を育てたい」。
これを達成するのには「ポニーリーグのルールや環境が最適だった」と語ります。
初心者でもやる気があって成長したいと思っている子ならOK
どんな選手に入ってきてほしいか伺うと、「大リーガーになりたい子、将来メジャーに行ける子を育てたいですね」。

チームとしては9番バッターまで全員がホームランを狙っているチームを目指す。ピッチャーは1イニングずつを全員でつなぐくらいでもいいから、速い球を投げられる。「もちろん必要な礼儀や細かいプレーも教えます。ただ、それが出来たうえで個々の能力を伸ばすことに注力していきたい」と描きます。
部費は月に15千円。これも「将来的にはスポンサーをつけて下げていく予定」。
また、父兄の方には個別の負担を強いない方針を掲げます。リーグによってはコーチや審判、グランド整備を選手の親御さんが行っているケースがありますが、そこも自分たちで手分けしてやる。ここは「こだわっていきたい」と力を込めます。
松井代表はいま塾を運営していますが、勉強にも力を入れて、将来は慶応義塾高校や早稲田実業でやる選手も出てきてほしいと語ります。旭丘高校や東海高校から東大野球部も目指すのもいい。そのためにトレーニングジムと学習塾を一体にした場所を作って、平日は勉強をしてからトレーニングをしてどちらにも力を伸ばせるような構想もあるそうです。
現在12人の入団が決定。1期生もまだ募集しているとのことですが、「個に応じた指導を確立するために15人で1期生は打ち止めにする」そうです。翌年以降は希望者が多ければ、複数チームが運用できるようにもしていきたいと。それが出来るのもポニーリーグの魅力の1つ。検討されている方、興味を持った方は早めにご連絡をお願いします。

「理想論ですけどね」と語る松井代表。ただ、現実的に難しい場面は出てきても、スタッフで協力してクリアしていく意気込みです。

 入団募集は公式インスタグラム公式Line公式X(旧ツイッター)で受付中。お気軽に問い合わせくださいとのことでした。

現在愛知県にポニーのチームは2球団。ただ、ここから名古屋LAポニーを含めて3球団増えて、5球団になる予定。そして東海地区の連盟も出来る話があるようです。
自分も興味が出たので、今後も取材などでお邪魔したいなと思います。

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