東邦-中京大中京 観戦記(2024年選手権愛知大会決勝戦)
7月28日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われた愛知大会の決勝戦、東邦-中京大中京の観戦記です。
伝統校同士の決勝戦。大観衆の中で行われました。
東邦
110000010|3 H6 E0
20001103X|7 H11 E0
中京大中京
東邦
宇佐美(1)、杉浦(10)、高柳(2)-高柳、小林
中京大中京
中井(1)、田中(18)-杉浦
投手成績
東邦
宇佐美敦斗(3年) 5回 81球 被安打5 四死球3 三振2 失点3
杉浦成海(3年) 1回 16球 被安打2 死球1 三振0 失点1
高柳大治 2回 29球 被安打4 四球0 三振1 失点3
中京大中京
中井遥次郎 7回2/3 114球 被安打6 四死球5 三振6 失点3
田中太久哉 1回1/3 13球 被安打0 四球0 三振1 失点0
(出場選手)
東邦
4大島 8藤江 5三浦 3朝倉(9) 7小西→R久保(14)→7市野(17) 6手島 9朝日(13) 2高柳→1 1宇佐美→H吉井(3)→2小林(12)→H野村(18)
中京大中京
4神谷 5岡部 8山田 2杉浦 3仲 7村上 6福田 1中井→1田中(18) 9松山
(試合経過)
1回表、1死1,3塁から4番朝倉がタイムリー。1死1,3塁から5番小西のスリーバントスクイズが失敗。三振ゲッツーとなる。東邦は1点を先制。1-0
1回裏、2死1,2塁から5番仲が2点タイムリー2ベース。中京大中京が逆転。2-1
2回表、無死1,3塁から8番高柳の併殺打の間に1点。2-2の同点。
5回裏、1死2,3塁から5番仲の犠牲フライ。中京大中京が勝ち越し。3-2
6回裏、ピッチャー交代、杉浦。1死1,2塁から1番神谷がタイムリー。4-2
7回表、ピッチャー交代、高柳。
8回表、2死1,3塁からワイルドピッチで1点。2死1,2塁でピッチャー交代、田中。6番手島を見逃し三振に斬る。4-3
8回裏、1死1,3塁から1番神谷が2点タイムリー2ベース。2番岡部がタイムリー2ベース。3点追加。7-3
中京大中京が勝って7年ぶり29回目の出場を決めました。
総評
中京大中京が7年ぶり29回目の夏の甲子園を決めたという試合。
最初にポイントになったのが、東邦の1回表の攻撃。足も絡めてかなり中京大中京の先発の中井投手を揺さぶって1点を先制。尚も1死1,3塁というところでスリーバントスクイズを仕掛けるも失敗して、三振ゲッツーという最悪の形に。スクイズというリスクも覚悟での作戦はいいと思いますが、まだ不安定だった中井投手の状態を考えれば、ちょっともったいない攻撃。ここはスクイズでもセーフティスクイズのがよかったかもですね。ただ結果論ですが。
中京大中京とすれば、1回裏にすぐにひっくり返せたのが大きかった。こちらもバント失敗があったのですが、5番仲選手の2点タイムリー2ベース。高橋監督のスタメン抜擢に応えた形。これで中京大中京としては無失点が続いていた東邦を止めたということもあって、かなり流れをつかんだ印象でした。
5回裏に仲選手の犠牲フライで勝ち越すと、6回裏には1番神谷選手のタイムリーでリードを広げる。
1点差に迫られた8回裏にも神谷選手が2点タイムリー2ベースを放ち、岡部選手のタイムリー2ベースとで3点。試合を決定づけました。
投げては中井投手が好投。かなり足を使われて揺さぶられましたが、3回からランナーを出さずにピンチを未然に防ぐ好投。8回表は疲れもあって1失点しましたが、リリーフの田中投手が三振に抑え1点リードを保ち、味方の反撃につなげた。
東邦としては7回裏に高柳投手が三者凡退に抑えて、終盤の勝つ流れを作っただけに、8回表に最低追いつきたかった。
8回裏は高柳投手の球威ががっくりと落ちていて、前のイニングで力を使い切ったんだなという投球内容になってしまいました。
東邦としては悔しい敗戦。ただ、地力は中京大中京のが上だったかなという内容でした。
最後高柳選手で負けたのなら仕方がない、という感じだった気がしますが、何とかリードする時間をもうちょっと作りたかったですね。
中京大中京は投打がかみ合いました。甲子園に向けては山田頼旺選手に少し当たりが出たことは好材料。神谷選手の活躍も光りました。
あと田中投手の好リリーフもお見事でした。
決勝戦は守備も固かった。名古屋たちばな戦の終盤からチームが変わった印象です。
7年ぶりの甲子園。まずは一つ勝って、勢いに乗ってほしいですね。
優勝シーンはやはりいいですね。
ピックアップ選手
東邦 大島 善也 内野手(3年)
1番セカンドで出場。先頭バッターでヒットを放ちチームに勢いをもたらす。6回にもヒットを放ちマルチ。初回に3盗を決めて、かなり動揺を誘いました。
東邦 高柳 大治 捕手・投手(3年)
8番捕手で出場。打つ方では7回にヒット。2回には無死1,3塁から内野ゴロを打って同点に追いつく形をつくる。7回からマウンドへ上がり、147㎞をマークして三者凡退。8回表の攻撃につなげました。8回裏は前の回での奮投の影響かがっくりと球威が落ちていましたね。
東邦 朝倉 大空 内野手(2年)
4番1塁で出場。初回に先制タイムリー。粘って追い込まれながら、上手く変化球を拾って高いバウンドで3塁を越していきました。元中日の朝倉投手の息子。新チームでは中心として活躍してほしいですね。
中京大中京 仲 健太郎 内野手(3年)
5番1塁で出場。先発出場に応えて初回に逆転の2点タイムリー2ベース。5回には犠牲フライを放ち、勝ち越しの打点。監督の起用に応えました。
中京大中京 神谷 倖士朗 内野手(3年)
1番セカンドで出場。状態はあまりよくなかったそうですが、6回に追加点となるタイムリーを放つと、8回には勝負を決定づける2点タイムリー2ベースを放ち、チームに貢献。
中京大中京 中井 遥次郎 投手(3年)
先発してMAX149㎞をマーク。1,2回は失点したものの、3回からはやや配球を変えて立ち直り、8回途中まで投げたのは立派。大学進学ということで騒がれていないですが、将来的にはすごい投手になりそうですよね。
中京大中京 田中 太久哉 投手(2年)
8回表、1点リードの2死1,2塁でマウンドへ。ここで6番手島選手を見逃し三振。130㎞後半のまっすぐとコントロールで打ち取る力を持っています。
中京大中京高橋監督、東邦山田監督談話
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