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至学館-中京大中京 観戦記(2024年秋季愛知県大会決勝戦)

9月23日に小牧球場で行われた愛知県大会の決勝戦、至学館-中京大中京の観戦記です。
至学館はベスト4の中では一度も見れていないチームでしたので、どんなチームか注目して観戦しました。

至学館
020300000|5 H10 E1
001000110|3 H10 E3
中京大中京

至学館
尾崎(1)、加藤(10)、高栁(18)、加藤(10)、尾崎(1)-井口

中京大中京
佐藤(11)、木村(18)、田中(1)-中村

投手成績

至学館
尾崎陽真 6回 67球 被安打7 四球0 三振5 失点1

加藤嶺乙(1年) 2回2/3 32球 被安打2 四球1 三振2 失点1

高栁塁(1年) 1/3 13球 被安打1 四球2 三振0 失点1

中京大中京
佐藤爽楽(2年) 1回2/3 24球 被安打4 四球1 三振0 失点2

木村颯汰(2年) 2回1/3 42球 被安打4 四球0 三振1 失点3(自責点2)

田中太久哉 5回 65球 被安打2 四球0 三振2 失点0

(出場選手)

至学館
4武藤 6船橋 7長屋→1加藤(10)→3→1→9松本(9) 3安井(13)→1高栁(18)→3坂下(3) 1尾崎→7→1 5村井→H木下(14)→5友原(19) 9山本→7 2井口 8西川

中京大中京
7村上 8淀川 5岡部 3牧村→R石本(19)→3田村(13) 9澤野(15) 2中村 6田中 1佐藤(11)→1木村(18)→H高森(20)→R萩坂(14)→1田中(1) 4加藤→H井戸(16)→4

(試合経過)

2回表、1死1,3塁から7番山本のセーフティスクイズが成功。2死2塁から8番井口のところでエンドランを仕掛けて井口がタイムリー。2死1,2塁、1番武藤のカウント2-0のところでピッチャー交代、木村。四球で満塁まで行くも2番船橋を3ゴロで抑えて2点で食い止めます。2-0
3回裏、1死2,3塁から4番牧村が犠牲フライ。2-1
4回表、2死2塁から1番武藤がタイムリー2ベース。2番船橋がタイムリー3ベース。中継乱れる間に一気にバッターランナーもホームイン。この回3点で5-1
5回表、ピッチャー交代、田中。
5回裏、ピッチャー交代、加藤。
7回裏、ピッチャー交代、高栁。1死満塁でピッチャー交代、加藤。2番淀川の2ゴロの間に1点。5-2
8回裏、無死1塁、5番澤野のカウント2-0でピッチャー交代、尾崎。2死2,3塁から8番田中のタイムリー。2塁ランナーはホームを狙いタッチアウト。1点止まりとなります。5-3
至学館が逃げ切って秋の愛知県大会初優勝を飾りました。

総評

至学館は初戦の西尾戦こそ7点取ってコールド勝ちでしたが、そこからはロースコアの接戦を勝ち抜いてきたチーム。正直そんなに攻撃力はないかなと思っていましたが、この日は2桁の10安打を放ったこともそうですが、長打も効果的に出て中京大中京の佐藤投手、木村投手を攻略。5点を序盤で挙げたのが大きかった。

またバントで揺さぶる場面も多く、成功率も高い。1年生がスタメンで6人を占めるチームですが、すでに至学館らしい野球というのが出来ているのがすごいなと感じました。

尾崎投手も初めて見ましたが、球速は120km/h台中盤くらいですが、思った以上に手元で差し込んでいるのと、緩急や低めを上手く使ってピッチングの上手さが目立ちました。

そしてほとんど尾崎投手で勝ってきたチームでしたが、2番手で投げた加藤投手が結果を出したことが大きな収穫。左ですし、大きなピースになっていきそうです。

まだまだこれから伸びるチームでしょうし、東海大会ではまた違った姿を見せてくれそうな印象。1位校として臨む東海大会も期待したいですね。

中京大中京は今大会、リードされる場面はほとんどなく、後手に回った時にどうなるかな、とは正直思っていました。

それがこの日は出て、思った以上にもろい試合となってしまいました。ただ、佐藤投手を先発させて、田中投手の登板は5回から。もちろん勝ちにはいっていると思いますが、何が何でもという試合運びではなかったのも事実。

宮内投手の登板もなかったので、この辺りを1ヵ月後の東海大会にどう調整してくるかも注目ですね。
打線はタイムリーが1本だけ。その8回のタイムリーも2塁ランナーが憤死。もったいないというか攻めきれない攻撃が目立ちました。

こういう苦い経験を東海大会では生かしたいところ。後手に回っても焦らずに戦えるかがカギになりそうです。

至学館優勝シーンと表彰式

ピックアップ選手

至学館 尾崎 陽真 投手(1年)

右のオーバーハンド。球速は120km/h台。ただ、中京大中京打線が差し込まれるケースもあり、手元で伸びがある模様。そして緩急を使ってコントロールがいいので崩れない。再登板後の9回裏の投球はお見事でした。こういう投手が東海大会でどういう投球を見せるかも楽しみです。

至学館 井口 睦丈 捕手(1年)

8番捕手で出場。2回に貴重な2点目のタイムリーを放ち、これを含む2安打。3投手を上手くリードして投手陣も引っ張りました。

至学館 西川 一咲 外野手(1年)

9番センターで出場。2安打に犠打、エラーでの出塁も含めて全打席で仕事を果たす。足も速い。

中京大中京 田中 太久哉 投手(2年)

5回からマウンドへあがり5イニングを2安打無失点。ゴロアウトが多く低めにボールが集まっていました。

中京大中京 淀川 稜太 外野手(2年)

2番センターで出場。2安打のマルチで7回には内野ゴロの間の1点で打点。打撃技術の高さも感じる選手。

中京大中京 牧村 典明 内野手(2年)

4番1塁で出場。1安打に犠飛で打点。犠飛のセンターフライはかなりタイミングがずれていたように感じたのですが、センター深くまで飛んでいってパワーのすごさを感じました。

至学館鈴木監督、井口捕手談話
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