東海大会愛知県代表校にお話を伺いました② 中京大中京 敗戦を糧にブラッシュアップし夏春連続の甲子園を狙う
秋の愛知県大会で準優勝となり、2020年秋以来の東海大会出場を決めた中京大中京。
2024年夏に愛知大会を制して甲子園に出て、あわただしく始まった秋の戦い。高橋源一郎監督にこの秋を振り返っていただき東海大会に向けての展望を伺いました。
高橋源一郎監督は1979年生まれ。中京大中京では1997年のセンバツで主将として準優勝。その後中京大に進学。三重高校等でコーチを経験。その後中京大中京へコーチへ戻り、2010年から監督へ就任。
現在部員数は2年生27人、1年生27人。マネージャーも各学年2人ずつの計58人。
取材当日はシートノックを重点的に行い、監督自らノックを打ちながら細かい動きをその都度、選手を集めて気になったことをアドバイス。
続くシート打撃では3年生の中井遥次郎投手らが登板。生きた球を打って経験を積み、最後はバント練習。
テスト期間前ということで16時から18時目途という限られた時間で練習を精力的に行っていました。
秋季大会の全成績
1次予選は免除。
2次
〇7-0中部大第一
〇6-1名城大附
〇8-3名古屋たちばな県大会
〇10-3大同大大同(8回コールド)
〇13-3西春(6回コールド)
〇6-0菊華
〇7-1名城大附
●3-5至学館
〇秋季大会を振り返って
2024年の夏、7年ぶりに甲子園へ出場し、1勝をしましたが、2回戦で神村学園に敗退。その5日後に早くも新チームの公式戦が組まれるというあわただしいスタートになりました。
「文字通りのぶっつけ本番でした。練習試合も出来ていなかったですし。ただ、甲子園に入っていないメンバーは残留して練習をしっかりと出来ていたので、そこに甲子園ベンチ入りメンバー、投手陣と岡部(純陽/2年)、村上(颯/2年)らが加わって、思ったよりもチームになっていた」というのが当時の高橋監督の評価だった。誤算としては8月末の台風10号による長雨。これで3試合練習試合が中止となり、ただでさえ試合経験が少ないチームがさらに経験を積めないまま県大会を迎えることとなる。
それが不安点となり初戦の大同大大同戦に出てしまう。最終的にはコールド勝ちし、その後も勝ってはいたがチームとしては詰め切れていないなと高橋監督は感じていた。それが改めて決勝戦に出てしまい、チームは序盤にリードを許すと反撃をしきれずに敗戦となってしまった。
決勝戦の結果について「勝った方がいいに決まっているが、一度負けたことで、きちんとした野球が出来ないと勝ち切れないということを身に染みて分かった。いい課題をもらえたと思う。チームとしてプラスに持っていきやすくなった」と前向きに話す。
一方、決勝戦での投手起用等を見るに、何が何でも勝ちにいっていなかったのでは、という筆者の問いに対し「田中(太久哉/2年)に一番信頼を置いていて、基本的には大事なところ、後半で田中を起用するつもりでした。木村(颯汰/2年)が今大会ではしっかりと結果を出していた一方、春から夏にかけて結果を出していた佐藤(爽楽/2年)が甲子園前に状態の不安もあってベンチを外れた。東海大会前に一度先発で試したかったので、決勝の舞台で起用しました」と意図を説明。「木村の3失点が誤算でしたが継投としては予定通り」と先を見据えての戦いだった。
〇チームの現状
夏までのチームと比べてどうか。「チームワークは上回っているかもしれない。セカンド、ショート、キャッチャーは現時点では物足りなさがあるので、そこがどう伸びてくるか。それぞれ練習はみんなしっかりとしている。決勝戦に置いて課題が出た選手もいる。その選手たちがこの4週間でどう課題に向き合い、もう一段上に行けるか。伸びる時期だからその伸びしろに期待している」。
キャプテンは岡部選手と田中投手の2人で担う。「54人の大所帯ということで、投手と野手というポジションの違いも含めて、協力して責任を持たせる形で2人を主将にしています」。
平日の指導は高橋監督と前畑宗慶副部長の2人が中心。ここに元中日の荒木雅博さんが臨時コーチとして不定期で指導に加わる。荒木コーチは主に走塁とバントの指導が中心。指導の特徴を高橋監督に伺うと「とにかく難しいことを言わないです。学生のレベルや考え方に沿った指導をしてくれる。それこそ私が言ったことで、選手が理解できていないことを察知して分かるように言いかえたりしてくださいます。選手はもちろん、僕ら指導者も勉強になっています」と感謝しきりだ。
〇宮内渉吾投手について
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