”160km/h右腕”中村優斗(愛知工業大学)投球フォーム解説【らすかわ氏レポ】
明日行われるドラフト会議において、1位候補として注目を集める“160km/h右腕”中村優斗投手。
フォーム解説でご協力をいただく、らすかわ氏(@suzu_rasu)に中村優斗投手のフォームについて、記事を書いていただきました。
(前回の高蔵寺:芹澤大地投手の記事も好評。まだの方は是非ご覧ください。)
マニアックな記事になりますが、なぜ彼が高い出力を出せるのか。理由の一端が分かる記事になっています。
また連続写真というのも意外に見る機会がないのでそちらも是非ご覧ください。
(以下、文はらすかわ氏)
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今回の記事では、ドラフト1位指名有力、プロ入り後は即戦力の期待がかかる中村優斗投手(愛知工業大)の投球フォームについて、自分なりに考察していきたいと思います。
連続写真による投球フォーム
以下、写真を元にした解説をしていきます。
※下記の記事内にて、脚=レッグ(Leg)、足=フット(Foot)になるよう意図的に表現を書き分けております。
セットポジションから始動します。両脚から動作をリードする人が採用する形です。
左足の爪先を三塁内野スタンド方向へ向ける事で、胸が下に向き背中が丸まります。胸が下に向く事で、相互に寄せ合うような形で左脚が上がっていきます。
この際に左膝は胸の高さまで上がっているので、位置エネルギー(高いところから低いところへ移動する力)を利用したステップ動作へ繋げていくことができます。
右膝を曲げ、左足の爪先を下に向ける事で、背中の丸みをキープします。
大学入学当初は、片脚立ちでのバランスが悪く、上体が後方にフラつくことがありました。元々、背筋が強く、背中が反りやすい体質なのかもしれません。
今現在は、膝や爪先を上手く使う事で、背中に丸みを持たせ、均整の取れた片脚立ちになっています。こういった所からもセンスの良さが伺えますね。
左脚の真上で両手を割ります。ここからステップ動作へと入りますが、注目して欲しいのがお尻の使い方です。左右のお尻が捕手側を向くように、軽くトルネードがかかっています。
※1塁側から見るとこんな感じになります。
この動きを入れる事で骨盤の回旋角度が大きくなります。骨盤-背骨-
腕は骨同士で繋がっている訳でして、骨盤が大きく回れば背骨も大きく回り、最終的に右腕が強く振られます。このメカニズムで投球を行えるのは理想の形です。
遊具の「でんでん太鼓」は正にこの理屈です。軸が回る事によって、末端部(紐と球体)が遅れて動きます。
両腕がシンクロするような形になって、真下へと下がり始めます。この際に、頭-お尻-左脚を結ぶ「逆くの字」のラインが作られます。ヒップファーストと呼ばれる形です。
やや右肩を下げ、右の股関節を深く曲げることで、身体の重心を右脚の付け根に置き、ステップに入る前の溜めを作ります。
左脚を内に捻りながら、ステップ動作に入ります。この左脚の動きは佐々木朗希(ロッテ)他、色々な投手が採用していますが、一番の利点は、踏み込みながらも重心を右半身に残せることです。また、左脚を内に捻る事で腰のラインが左上がりにもなります。この形が崩れない限りは、重心(頭の位置)は右半身に残り続けます。
左肩が開かないように、左腕を内に捻っているのもポイントです。左脚の動きと合わせて、進行方向に壁が作られた状態になり、重心を右半身へ残しながら進んでいくことになります。
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