愛知野球通信+

中部大 堀田崇夫監督へインタビュー。今年の振り返りと来年に向けての話を伺いました。

2024年もあと少しとなりました。
今年の愛知大学リーグは、春が中京大、秋が名城大の優勝で幕を閉じたわけですが、そのいずれも2位だったのが中部大

中部大は前年の2023年、春にリーグ優勝を果たし、全日本大学選手権に出場。そこで1勝を挙げる。
2024年を迎えるにあたり、戦力的にはプロ注目の清水智裕捕手(大垣日大/4年)、好打者の村木陽亮外野手(いなべ総合/4年)が野手では残り、リーグ戦で先発の経験を積んだ肥田雄策投手(聖隷クリストファー/3年)、津波英太郎投手(四日市中央工/2年)がいた。

迎えた春のリーグ戦は中京大と勝った方が優勝という大一番で敗れ2位。秋のリーグ戦は名城大の優勝が決まった後、愛知学院大との2位決定戦を勝ち抜いて三連盟王座決定戦に進出。中部学院大を破って決勝に進むも、名城大にタイブレークで敗れてここでも全国大会にあと一歩という結果だった。

来年に向けて愛知大学リーグでは強化リーグが11月に実施され、2025年に向けての動きがすでに始まっています。
悔しい1年からどう来年に挑むのか、その辺りを中心に堀田崇夫監督にお話を伺ってきました。

中部大 堀田崇夫監督

・2024年振り返り
・中部大は毎年4年生中心のチーム
・来年の中部大
・中部大春日丘、中部大第一で目立った選手

中部大 堀田崇夫 監督

1974年3月生まれ
東浦高校から中部大へ進み、キャッチャーとして活躍。卒業後は王子製紙へ進み、2000年7月から中部大のコーチとして復帰。2013年から監督として指揮する。
チームは2000年春に1部昇格後、25年間1部を守り続ける。現在1部のチームでは最長の記録。

〇2024年度を振り返る。

-2024年は春も秋もあと一歩が続いた。

堀田崇夫監督(以下堀田):「理由があってのあと一歩だと思います。それがなんなのか。勝負所でどうやって勝機を手繰り寄せるか。あと1点、一つのミス、無駄な失点を防いでいればというプレーもあった。ただこれは野球の永遠のテーマとも言えますよね。」

-ミスを完全になくすことは難しいです。

堀田:「チームとして準備してきたことを試合で発揮できるかどうかが大事。相手を上回るだけの表現が出来たか。結局はそこにつながる。」

-特に秋はなかなかチームがかみ合わなかった印象です。

堀田:「春はチーム打率が5位。チーム防御力は4位。秋もチーム打率が4位。チーム防御率は5位。それで成績はどちらも2位というのは、上手くかみ合ったかなとも言えますが(笑)。選手たちはよく頑張ったと思います。」

-あと一歩の悔しさをどう来季につなげるかが大事。

堀田:「でも人ってすぐに悔しさを忘れるんですよ(笑)。言われると思いだすけど、ずっと持ってはいられない。そういった組織の性質も自覚しています。」

-そもそも中部大は25年。いわゆる四半世紀の間、ずっと1部に居続けている。これはすごいことですよね。

堀田:「そう。四半世紀!だから今回、大学にクラブ活動表彰の申請をし、先日努力賞を頂きました。大学が定める表彰基準に「最上位リーグを5年間維持継続したもの」があり、これまで一度も申請してきませんでしたが、四半世紀という言葉もあるし、いい区切りかなと思って。歴代のOB・OGが結果を出し続けてきてくれたおかげです。」

〇中部大は毎年4年生中心のチーム

-中部大は毎年、4年生中心にリーグ戦を戦うのが特徴と思っています。なにか理由はありますか。

堀田:「これは4年生を大事にしているというより、月日をかけて伸びてくるから。実力が4年生にあるからそうなっています。」

-毎年そうなる要因はありますか。

堀田:「部の活動目的に書いてありますが、PDC(P《Plan・計画》→D《Do・実行》→C《Check・検証》)をチーム作りや技術の追求に当てはめて日々の練習に取り組む。これを繰り返すことで、4年間かけて成長する。伸びてきた選手を信頼して起用し、託す。そういうスパイラルがあるから必然的に上級生が試合に出る形になります。」

-練習量は多い方ですか?

堀田:「一概に他大学と比較したことはないですけど、全体練習は決して多くないと思います。ただ、その選手に必要だと思う練習を個別に取り組ませます。出来るまでコツコツと。チーム内では『堀田メソッド』と呼んでいますが、投球・送球動作とスイング動作のコツを教えていく。勘のいい選手はそれを自分の動きに組み込んでいける。習熟度の差はありますが、そういう地道な取り組みをしていくことで、4年間かけての成長につながっているのかなと思います。」

-地道な積み重ねが大事。

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