愛知県高校野球 2年生の有望選手特集⑯ 東邦 久田泰心投手 “沖縄県名護市からNPB入りを目指して東邦へ来た右腕はダルビッシュに憧れ成長”
2024年の夏の愛知大会。準決勝の杜若戦で先発、144km/hをマークして7回途中まで投げて、11三振を奪い無失点と好投。一躍注目投手として名を上げたのが東邦の久田泰心投手だった。
秋以降も注目されるはずだったが、チームがまさかの名古屋地区二次予選で敗退。鳴りを潜める形となってしまった。
潜在能力は抜群で、本人もNPBに進みたいと公言。そんな久田投手に取材で迫りました。
〇沖縄出身の投手

東邦 久田泰心投手
久田投手は沖縄県名護市出身。名護というと日本ハムのキャンプ地というのが浮かぶ。
「キャンプは毎年のように見に行きました。大谷翔平選手もいて、今思えば貴重な体験でした。オーラが凄かった」と当時を振り返る。
憧れはダルビッシュ投手。「ダルビッシュさんが日本ハムにいた時はまだ僕は小さかったですし、接した記憶はないのですが、憧れはずっとダルビッシュさんです。ああいう迫力のある、インパクトのある投手になりたい」と意気込みを口にする。
野球を始めたのは小学3年生の年。甲子園を見てかっこいいと思ったのがきっかけだった。「特にどの高校が出ていたとか、プレー等は覚えていないんですけど、とにかく甲子園を見ていてやりたいと思いました」。
そこからチームに入って本格的に野球を始めた。小学校は名座喜少年野球という地元の軟式チーム。中学校は大宮中の軟式野球部に所属する。中学のチームの実力は「1回だけ地区で優勝したけど、県大会では勝てなかった」というレベルだった。
〇沖縄から東邦へ
そこからどうして愛知の名門、東邦へ進学することになったのか。
「中体連の大会が終わって、硬式ボールに慣れるための育成の練習会があった。そこに参加した時に、東邦の沖縄のスカウトの方から誘いがありました」。
県外のチームには抵抗なかったのかを聞くと「県外に出たかったので、願ったりかなったりという感じでした。とにかく沖縄から出て、すごい選手やチームの中でやりたいと思っていました」。
沖縄の強豪チーム、それこそ甲子園にも出場するチームからも声はかかっていたそうですが「全く考えませんでした。東邦の練習を見せてもらってそこで決断。迷いはなかったです」と力を込める。
ご両親も応援してくださったそう。「野球で東邦に行くからには頑張れと言われました」と決断を後押ししてくれた。ちなみにお父さんは陸上で天理大に進んでいたそうで、沖縄から出ることに理解があった様子。
よく沖縄出身の方は本州の方との気質の違いを感じると言います。久田投手も「沖縄はゆったりしているというか、のんびりしている気質がありますが、こっち来た時にみんなが時間に対して正確に動く。そのギャップが最初はつらかった」という。
寮は一人部屋で先輩たちも優しく、そんなに苦労はなかったというが、「練習でも学校でもびしっとしている。沖縄の自由さとの違いを感じていました」と振り返る。
徐々に愛知県の風土や東邦の練習にも慣れて、力をつけていき、2年生の5月に145km/hをマーク。夏の愛知大会でベンチ入りを果たします。
〇夏の悔しさと秋の敗戦について
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