愛知県高校野球 2年生の有望選手特集⑲ 享栄 小山隼和投手 “肉体改造により見違えるような身体に。大型左腕としてNPB入りを目指す”
享栄のプロ注目左腕、小山隼和投手は細身の長身。そんなイメージでしたが、久々に取材の日に会ったらそんなイメージが一新されました。
現在の身長体重は188㎝、92㎏。
この秋の県大会の時点では79㎏。肉体改造により、13㎏体重が増えたという。この体型でどんな球を投げるのだろうとワクワクさせてくれる小山投手。
伸びしろたっぷりの左腕がどんな投手なのかを紐解きます。

享栄 小山隼和 投手
〇元々野球は好きではなかった?
野球を始めたのは小学2年生の時。父が野球経験者でその影響からだった。ただ小学生の頃の小山投手本人は乗り気じゃなかったそうで「運動自体は好きだったんですが、野球はあんまりやりたくなかった。チームスポーツというのが最初苦手で・・・」。
走るのが好きで、そういう個人スポーツの方が向いているという感覚もあった。集団は嫌いじゃないが、まとまって何かをするというのが苦手で「やれと言われてやっているのもあったかもしれません」と当時の心境を振り返る。
ただ、ピッチャーをやるようになって苦手意識が徐々になくなっていったという。
そして野球の良さを最も感じた瞬間が中学の豊田シニアでの試合中にあった。全国のかかった大事な試合で自身の調子が悪く、思ったように投げられない。そんな時に「野手が打ってカバーしてくれたり、いい守備をしてアウトにしてくれてチームが勝てた。自分だけが良くても勝てないし、チームワークの大切さや誰かのミスをカバーするというチームスポーツの良さに気付いて野球っていいなと強く感じました」。
豊田シニアでは春の全国大会で3位に。高校では甲子園を狙える強いチームに行きたいということと寮ではなく通える学校を希望する中で享栄に進学することになる。
〇奪三振率が高い
小山投手といえば長身が特徴。高校に入った頃から184㎝もあったそうだが、そこからも少しずつ伸びて現在は188㎝。その長身でNPBのスカウトからも注目される存在に。
自身のピッチングについては「球速はものすごく速いわけではないが、球の回転数や質がいい。長身ということもあって、打者を詰まらせられる。三振を取りに行ける投球が特徴です」と自己分析する。
奪三振率の高さが特徴だが「三振は狙って取りに行くわけではなく、追い込んだ時に狙うという感じです。打たせた方がいいところでは変化球で引っかけさせたりと、状況に応じた投球をしています」と説明。そのためか決め球もこれだと明言しない。「全部の球種で三振は狙えると思う。キャッチャーの配球に応えて投げ分けるようにしている」と語る。
〇印象的な試合
印象に残る試合を聞くと、高校2年秋の中部大春日丘戦を挙げた。
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