愛知野球通信+

冬の練習訪問2025③ 三好編 “県下唯一のスポーツ科学科のある公立高校という特徴を生かし、西三河から甲子園を目指す”

三好の岡田泰次監督は2021年に刈谷から異動して4年目となります。
愛知県の高校野球ファンからすると、15年間、監督を務めた刈谷時代に毎年のように強豪チームへ育てた印象が強いかなと思います。
最も甲子園に近づいたのが2009年の夏の愛知大会準優勝。その後全国制覇を果たした中京大中京に決勝で敗れたが、公立進学校での決勝戦進出は強烈な印象を残しました。

そんな岡田監督が三好へ異動すると、低迷気味だった三好を立て直し、西三河地区でここ3季は優勝、優勝、準優勝。常に優勝へ絡むチームに育て上げています。

また三好は愛知県では唯一公立でスポーツ科学科がある高校。その辺りの特徴を伺いながら、現状、課題、冬練習のテーマ、目標を伺っていきました。

三好の岡田泰次監督

2024年夏
●0-2長久手

新チーム後のチーム成績
1次
〇12-0岩津・加茂丘・衣台
〇6-1科技高豊田
〇8-0豊田大谷
2次
〇7-5西尾東
●3-4X杜若(延長10回タイブレーク)

県大会
●2-3X愛工大名電

全三河大会
〇7-1桜丘
〇4-1成章
●3-4X豊川(延長10回タイブレーク)
〇4-0杜若

1年生大会
〇2-0豊田大谷
〇13-6名城大附(8回コールド)
●1-8至学館(8回コールド)

〇スポーツ科学科がある三好の特徴

現在野球部の選手は1年生が25人。2年生が24人で活動。各学年にマネージャーは1人ずつとなっている。

そして三好の大きな特徴として、寮があること。野球部では3分の2の生徒が寮生。通いにくい生徒はもちろん、近隣に住んでいても寮に入る生徒はいるそうです。

学校全体で寮生は120人くらい。スポーツ科学科が1学年120人定員で3学年で360人なので、3分の1は寮生として生活している。

愛知県の公立高校でスポーツ科学科があるのはここだけ。イメージは大学の体育学部のような感じとのことで、週30時間の授業のうち10時間くらいがスポーツの授業。身体作りのことを中心に学んでいく。
部活動にも力を入れており、野球部以外でも、サッカー、ラグビー、陸上、バレー、バスケ、柔道、剣道、カヌー、体操などで、それぞれ体育の顧問がついて強化している。

公立高校なので、愛知県以外からの生徒は入学出来ないが、愛知県に住所があれば、地域は関係なく入学が可能となる。

三好高校グランド。この日は野球部の他ラグビー部が練習をしていました。

〇刈谷から三好へ異動し変えたこと

岡田監督は2021年から三好へ異動。それまで刈谷では15年務め、そもそも刈谷は岡田監督にとっても母校でもありました。

そんな刈谷との違いを伺うと、「たくさんありすぎて」と苦笑い。

ただ、「グランドの中ではそんなに変わらないです。野球をやるという気持ちに関しては同じです。野球では学力に比例しない部分がありますし、自分で考えられる子は考えられる。そうでないとなかなか伸びてこないところは同じですね」と分析する。

指導面で気を付けていることについては「刈谷時代と比較すると1回で伝わらなかったりするケースがある。どこまで理解しているかを感じ取り、言い方を変えて伝えたりする等は気を付けています」と強調した。

岡田監督は全体を見ながら選手の動きをチェックする

〇野球部の現状、特徴

野球部は岡田さんが監督就任後、着実に結果を出して、2022年夏に5回戦進出を果たすと、秋・春の県大会は5季連続出場。西三河地区大会ではここ3季で常に優勝を争う。

その一方、夏はここ2年連続で初戦敗退。県大会も5度出場しているが、勝利は2024年春の1勝のみに留まり、大事な試合で勝ち切れないジレンマを抱える。

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