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東海地区大学・社会人有望選手特集⑧ 岐阜協立大 相良雅斗投手 “投げる試合は先発完投。チームの大エースはリーグで圧倒してNPB入りを狙う”

今年の東海地区大学野球連盟岐阜大学リーグ、静岡大学リーグ、三重大学リーグが所属)の中で、最もNPBから注目を浴びる存在が、岐阜協立大の相良雅斗(さがらまさと)投手だ。

昨年の8月、相良投手は東海地区大学野球連盟選抜に選ばれ、中日の2軍との試合3イニングを1安打無失点。その日先発した、のちに巨人からドラフト5位指名を受けた宮原駿介投手(東海大静岡キャンパス)よりも強いインパクトを残し、2025年のドラフト候補としての立場を明確にした投球を見せた。

そんな相良投手は愛知県の出身で、豊田大谷から岐阜協立大に進んでいます。
全国的には無名と言える相良投手にこれまでの歩みや今年にかける思いなどをうかがっていきました。

岐阜協立大 相良雅斗(さがらまさと)投手

〇自身の投球の特徴

はじめに自身の投球の特徴を教えていただきました。「まっすぐの質が良くて、9回を投げ切るスタミナがある。全部の球種でストライクが取れるところが長所。けん制やフィールディングにも自信があります」と自己分析。

現在のMAXは152km/h。これは昨年の秋前の紅白戦で出したとのこと。自信がある球にもまっすぐを挙げる。「力感なく投げられて、並進運動が速く、球がベース板のところで強い。ラプソードで計測した時に、回転数が2480回転を記録。回転効率も99%で球質が良いと言われます」。

〇中日戦の快投について

NPBスカウトの評価を大きく上げたのは先述のとおり中日の2軍との試合でした。

その日はMAX148km/hをマークし、プロ相手に堂々のピッチングを見せる。

実際にプロ野球選手を目の前にした印象は「現実だと最初は思えませんでした。相手の先発が根尾昂投手だったのですが、それこそCGに見えました」と笑いを誘う。

気合いは十分だったそうで「持っているものはしっかり出そうと。失敗しても学べることはあるので、全て持ち帰ろうと思って試合に臨みました。集中して投げられたし、こういう試合をいい状態で迎えられて運が向いてきたと思いました」と振り返る。

中日相手の快投は人生を変えたかも。

〇子供の頃は野球が好きじゃなかった

大学まで野球をやっていた父の影響で、物心がついた時には公園で野球をやっていた。小学1年の時から軟式野球のチームに入って、中学は豊田ボーイズへ入る。ポジションは基本内野手で、たまにピッチャーをやる状況だった。

ただ、あんまり野球を続けようと当時は思っていなかったようで「親がやらせたいというのはすごく伝わってきたのですが、自分の中でやらされている感があって野球を好きと言い切れない状態。高校で続けるかも悩んでいました」と迷いながら野球を続けていた。

そんな中で豊田大谷への進学はどうやって決まったのか。「中学の時に地域の選抜チームに選ばれる機会がありまして、その時の代表が元豊田大谷の監督だった後藤篤さんでした。その縁で豊田大谷へ進学する話が進みました」。

〇豊田大谷で気持ちが変わる

豊田大谷に入った当時は身長が163㎝。「自分が小さかったので、高校生でかいな、という印象でした。入るところ間違えたかな」と入学後も前向きな気持ちになれなかった。

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