バスケットボール・クラッチ

「CSに行く前にやらなければいけないこと」(京都戦を振り返って・コラム)

 

9連勝と好調を続けてきたブレックスに黒星を付けたのは、京都ハンナリーズだった。リーグ1位を目指すブレックスにとって、痛い1敗となった317日の京都戦を中心に、最近の試合を振り返ってみたい。

 

CS進出が決定

316日の京都ハンナリーズ戦で勝利し、早々にCS(チャンピオンシップ)出場を決めたブレックス。

「昨シーズンは本当に苦労して最後の1枠を勝ち取ったが、今回は早めに出場を決められたのでホッとしている」

試合後、安齋竜三HC(ヘッドコーチ)は、CS出場を決めた気持ちを、率直にこう語っていた。さらに「今シーズンは最後の一つしか見ていない。千葉を追わなければいけない立場だが、ホームでCSをやるためにも最後まで頑張っていきたい」と意気込みを述べた。

攻守で活躍した竹内公輔も、「CS出場は通過点。2年前、優勝した時にも感じたが、いかにホームでやることが重要かということを分かっているので、最後まで気を抜かずに戦いたい」と気持ちを引き締めていた。

 

 

何とも言えないゲーム展開

ところが、翌17日の試合は出だしから思うようなプレーができず、開始早々、京都の伊藤達哉にバスケットカウントを決められてしまう。

「伊藤選手のところは、全く何もできていない。ルールも守ってないしコミュニケーションも取っていない。彼の得意な方向に行かせて、ファウルをしてやられた」

安齋HCは、悔しそうな口ぶりで、この時の状況を説明する。

さらに、この直後にはジェフ・ギブスとの接触により倒れた伊藤が、しばらく起き上がることが出来ず、しばし試合が中断。伊藤はその後、病院に搬送されたという。

「アクシデントもあったが、そこでチームがまとまった」

京都の浜口HCが話すように、この試合は序盤から京都のディフェンスのプレッシャーが強く、ブレックスはなかなかシュートが決められない時間が続いた。

 第1Q(クォーター)を5点ビハインドで終えたブレックスは、第2Qで一時同点に追い付くが、その後は京都に連続得点を許し、37-4912点差に広げられて前半を終える。

第3Qではブレックスが追い上げたものの、なかなか波に乗り切れず、最終的に75-82で試合終了。この敗戦によって、ブレックスの連勝は9でストップした。

「何とも言えないゲーム展開になった。60試合もやっていればこういう試合もある」

試合後、安齋HCはこう述べた。

 

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