「“1秒の差”を生み出すディフェンスとは」CSクォーターファイナル川崎戦GAME2(コラム)
1勝して迎えたGAME2
4月27日、クォーターファイナルGAME2。前日の敗戦を受けて後がない川崎は、序盤から速い展開のバスケットで、非常にアグレッシブなプレーを見せる。
ブレックスは、8-12と4点差にされたところでタイムアウトを取得し、早々に立て直しを図ると、比江島慎のシュートなどで盛り返し、19-17と2点差をつけて第1Q(クォーター)を終えた。
第2Qの序盤は、川崎の激しいディフェンスになかなか得点できない時間帯が続き逆転されるが、鵤誠司、比江島の連続得点で26-26と同点にしてオフィシャルタイムアウトを迎えた。その後は、点を取っては取り返されるシーソーゲームとなったが、残り約1分のジェフ・ギブスによるバスケットカウント、比江島の3ポイントブザービーターで39-35の4点リードで前半を終えた。
第3Qは、前日同様、ブレックスが川崎を突き放す展開となった。
ライアン・ロシターのフリースローを皮切りに、ギブス、鵤がそれぞれスティールから得点に結びつける。その後も、ロシターが要所でボールへの執着心を見せ、激しい競り合いで奮闘。オフェンスでは華麗なパス回しで、仲間のシュートも演出した。前半2得点に終わっていたロシターだったが、このクォーターだけで9得点の活躍。もちろん田臥勇太、ジェフ、鵤など、ほかのメンバーも激しいボール争いに体を張り、チームに勢いを与えた。
58-41と17点差がついたところで、第3Q終了かと思われたが、ブザーが鳴る直前に川崎のニック・ファジーカスが4つ目のファウルを犯す。さらにテクニカルファウルも取られ、ファウルアウト(退場)となった。ブレックスは、渡邉裕規、ロシターがしっかりとフリースローを決めて3点をプラス。結局、61-41の20点差にまで突き放してこのクォーターを終えた。
起点となるファジーカスを失った川崎は、第4Qに逆転するだけの気力も、体力も残っていなかったのだろう。結果的に、89-62で、2戦目もブレックスが勝利を収めた。
川崎は「個の力で対応しきれなかった」
「残念ながら2試合とも完敗でした」
試合の総括を求められた川崎の北卓也HC(ヘッドコーチ)は、こう述べた。
「第3Qですね。出だしで2回連続ターンオーバーで始まって、そこで流れが栃木さんに行ってしまいました」
第3Qで6得点しかあげられなかった川崎は、場面によって変化するブレックスのディフェンスに対し、「個の力で対応しきれなかった」と明かした。
「今シーズンだけではないんですけど、栃木はリバウンド、ルーズボールが非常に強い。そこを止めるのが非常に厄介でした。時間帯によってディフェンスを変えてきますし、それをコートに出ている5人が遂行できるので、オフェンスするチームとしては対応が難しい。リーグでも1、2を争うディフェンスの強さだと思いました」
さらに、こうしたブレックスのディフェンスに対し、「アドバイスやヒントをあげられなかった私の力不足」と肩を落とした。
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