バスケットボール・クラッチ

「手応えはある程度感じられています」16試合を終えところで、これまでの試合を安齋竜三HCと振り返った(インタビュー)

 

今シーズンのブレックスは、開幕2連敗から7連勝。それに伴い、地区順位も最下位から首位を経験するなど、シーズン序盤は激しいアップダウンがあったが、ここ数試合は地区3位という好位置で安定的に推移している。昨シーズンから選手も指揮官も変わらず16試合を経過した今、2連敗となった川崎ブレイブサンダース、11敗となった富山グラウジーズ、アルバルク東京戦を中心に、これまでの戦いを安齋竜三HC(ヘッドコーチ)と一緒に振り返ってみたい。

(文:藤井洋子、写真:山田壮司)

 

相手のエナジーを跳ね返す力に欠けた

7連勝と好調を続けていたブレックスにストップをかけたのは富山だった。1戦目(1026日)は、気持ちよく勝利を挙げたブレックスだったが、翌日(27日)は、富山の気迫あるプレーに圧倒され、出だしで点差をつけられて敗戦となった。

「富山にしてみれば、1試合目にホームで負けたわけですから、2試合目はエナジーを持ってくるのは当たり前です。うちは、それを跳ね返す力を持っていなければいけないのですが、この試合はそこが出だしからあまり発揮できなくて点差がついたままズルズルといってしまい、最後に追い付いたのですが、大事なところでリバウンドを取られたりして負けてしまいました。集中力を出してやらなければいけないところで、最後までできませんでした」(安齋HC

ブレックスは、残り3分となった辺りで富山に追い付いたのだが、渡邉裕規がムービングファウルを取られたり、ライアン・ロシターが決めた3ポイントシュートがノーカウントになったりして、リズムに乗り切れなかった。その後も激しいディフェンスをしたものの、富山にオフェンスリバウンドを取られ、それが残り数秒のレオ・ライオンズのシュートにつながってしまった。

「そこで6点の差が出来てしまいました。しっかり守っていたのだから、リバウンドを取っていればうちの攻めになったのに、それができませんでした。結局、やるべきことをきちんとやっていないと、そう(敗戦に)なってしまうということです」

最後のオフェンスでは、比江島慎が竹内公輔にパスを出したのだが、それがうまくつながらなかった。HCとしては、重要な局面にどのような指示を出したのだろうか。

「あの時は戦術的にピックアンドロールに行ってほしくなくて、1対1をやらせたかったという思いはありました。それで外から声を出したんですけど、それが伝わらずピックに行き、スペースがなくなって…という状況でした。難しいシチュエーションでしたけど、完全に空いていないんだったら、比江島がシュートを打った方が良かったかなという思いはあります。ただ、そういうところをきちんとコントロールできなかったというか、僕の指示がちゃんと統一されなかったというのが大きいです。もう一つは、最後にそこでシュートを打って責任を取るということも、比江島の今後の成長に期待したい部分です」

とはいえ、その場面だけが重要なのではなくて、「その前にも重要な場面がいくつもあった」と話す。

「最後の場面に至る前の部分が39分間あるわけですから、そこをしっかりとやれるようなチームにならないと勝っていけないと思いました」

 

ほんの少し詰めの甘さが出た

次節、A東京との2連戦も、11敗となった。なんと言っても悔やまれるのが、1試合目(111日)に7273と、わずか1点差で敗戦となったことだ。

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