バスケットボール・クラッチ

テーブス海「Bリーグでトップレベルの選手に」(インタビュー・コラム)

昨日、テーブス選手の契約満了が発表されました。残念な気持ちはありますが、本人が将来を考えた上で出した結論だと思いますので、新天地での活躍を期待したいと思います。

今回の原稿は、5月頭に取材をして、結構前に原稿を書き上げていました。タイミング的に公開が今になってしまったので、ファンの皆さんは複雑な思いがあるかもしれませんが、テーブス選手の素直な思いも聞けましたので、ブレックスでの最後のプレーを振り返りながら、じっくりとご覧ください。(文・写真/藤井洋子)

 

―今シーズンはプレータイムが増えていますが、その要因はどのように受け止めていますか。

シーズンの最初の頃は、ケガ人がいる間の数試合にスタートで出場して、その穴をうまく埋められたと思いますし、ブレックスのバスケットにも慣れたと思います。このチームに入ってこれだけ時間が掛かって「やっと慣れた」というのはおかしいですが、あまり考え過ぎずにやれるようになりました。

 

―スタートで出たことでつかんだものがあったのでしょうか。

スタートで出たからというよりは、長い間プレータイムを貰えたことで調子をつかみ、ポイントガード(PG)として仕事ができることが分かったという感じです。

 

今シーズンのプレーについて、自己評価をお願いします。

良い時もあれば悪い時もあったので、難しいですね。でも、昨シーズンよりは良くなっていると思います。

 

―今シーズンの中で、転機になったと思われる試合があれば教えてください。

一つの試合というよりは、1シーズン全てが経験になりました。自分の長所と短所を考えた上で、アウトサイドのシュート確率を上げなければいけないと思い、昨シーズン終了後の夏の練習からそこに取り組んで、今シーズンはだいぶ確率を上げることができましたし、確率だけじゃなくて自分の中で積極性が出てきたなと思っています。そこは自分の中で誇りに思っていますし、試合ではその成果が見せられて良かったなと感じています。

 

―今シーズンはテーブス選手や荒谷裕秀選手という若手2人がチームに勢いをもたらしたり、流れを変えたりする試合がありました。ベテラン選手が多いこのチームの中で、自分の役割や存在をどう活かしたいですか。

2人ともベンチプレーヤーなので、スタートのメンバーが休んでいる間にディフェンスで走るなど、なるべくチームに勢いを付けたいなと思いながらやっています。

 

―ディフェンスの強度についても意識して取り組んでいるのですか。

このチームでは、それが当たり前のことなので。でも自分としては、そこがすごく楽しいです。シュートが入る入らないとかそういうことじゃなくて、相手にハードにプレッシャーを掛けるだけでチームのプラスになる、それがすごく楽しいですね。それは自分でコントロールできることなので、毎試合、試合に入ったら流れに関係なくハードにプレッシャーを掛けるようにしています。

 

ディフェンスでの運動量やスピードが武器になった

―テーブス選手はオフェンスでリズムをつかむ印象があったのですが、それはブレックスに加入したことで変わったのでしょうか。

ブレックスに来る前までは、オフェンスから…というか、オフェンスだけ…でした。でもブレックスに来てからは、オフェンスで流れを作ることができないことが多くて。それはチームメートのシュートタッチが良くて、その分その選手にボールを渡していきたいので、そうすると必然的に自分が打つチャンスが限られてしまいます。

そういう時に何ができるかというとやっぱりディフェンスですし、このチームの中ではディフェンスでの運動量やスピードは負けていないので、そこを極めようかなという気持ちになり、結果、自分の武器になったと思っています。

 

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