Bをかたーる首都圏版。ミムラユウスケWEBマガジン

エース河村勇輝がHCの作戦ボードを手にしたのは『本能』からなのか? 

 

BリーグCS(チャンピオンシップ)準々決勝、GAME1。川崎ブレイブサンダース対横浜ビー・コルセアーズの『神奈川ダービー』はシーソーゲームとなった。

 

今日ピックアップするのは、その第4クォーターの残り4分12秒。チャールズ・ジャクソンのシュートが決まり、[川崎75-80横浜]となった時点で川崎が請求したタイムアウトが終わりかけたときのワンシーンだ。

 

 

横浜の「エース」河村はなぜ、HCの指示が終わった後に、作戦ボードを手に取り、まるでコーチのようにそこにペンを走らせたのか?

 

 

HCが作戦を伝える前に、中心選手がチームメイトに色々と話をすることはよく見られるシーンだ。

今日も、タイムアウトに入ってすぐ、コーチ陣が要点を整理している間に、PGの河村がチームメイトに色々な話をしていた。

そして、そのあと青木HCがきて、じっくりと指示を送り、タイムアウト終了のブザーがなった。

 

特筆すべき場面があったのは,そのあとだ。

 

河村が青木HCから作戦ボードを預かり、森川を呼んだ。そして、ペンを走らせて、指示を送った。

 

あの場面、何があったのか……。

 

青木HCが振り返る。

「うちの選手は誰もが、このチームに対して『当事者意識』をもってプレーしてきているので、その想いがあらわれたところだという風に思っています」

 

そこまで話してから青木HCはジョークをまじえてこう続けた。

 

「私が話して、最後(輪から)離れたときに、私から(河村選手が)ホワイトボードをぶん捕るような感じで(笑)。

 

何か言いたそうな感じだったので。本人たちがそれで意思疎通のツールとして使うのであれば、それは越権行為ではも何でもないと僕は思っていて。それは当事者意識、もしくは本人の想いだとも思っているので……」

そして、少し考えてから、最後にこうまとめた。

「彼らの『本能』だと…。『本能』というか、今まで培ってきたものだという風に思っています。特にそういう(ことをやるようにという)指導をしているわけではないです」

 

青木HC

 

本能』。

 

プレーオフにあたるCSは会場の雰囲気が違う。一つひとつのプレーへの観客の反応も違う。そして、コート上での選手たちのプレーのインテンシティも違う。

 

CSという特別な舞台が、河村から何かを引き出したのだろうか?

 

なお、実際に河村が森川に話したと思われる攻撃の形は、試合の残り3分31秒の場面で見られた。河村が右サイドからドライブし、リングの下を通過して、左サイドのコーナーにいた森川にパス。森川はフリーになっており、思い切りよく3pシュートを放った。これはリングに弾かれてしまったが、良い形からのシュートシーンだった。

試合後に取材に答える河村

 

河村はなぜ、あのような行動を取ったのか。

 

「その意図を教えてください」

 

試合後にそうたずねると、とても丁寧な答えが返ってきた。

 

その答えは、どんな記者にも言葉を尽くして答える彼らしくもあり、色々なことをしっかり考えてプレーしている彼らしくもあった。少し長くはなるが、彼の言葉をそのまま掲載する。

 

「相手がゾーン(ディフェンス)をずっとやってきていて。相手のゾーンの動きだったり、仕組みというのを、ある程度、自分のなかで感じでいたので。『どう動けば、どこがフリーになるか』というのを、わかっていました。

 

(タイムアウト後の)次のプレーでは、森川選手も上手く動いてくれて、フリーを作ってシュートは(できた)。入らなかったですけど、そういうシーンがあったので」

 

河村の解説は、まだまだ、続く。

 

「やはりCSは、1ポゼッション、1ポゼッションがすごく大事なので。特に、こういったクロスゲームでの1ポゼッションというのはすごく大事です。

 

そういった意味で、自分ができるPGとしての役割として、コーチが戦術的なところを言った上で、そこからのプラスアルファのところを付け加えて。

 

『(僕は)こういった動きをするから、(森川さんには)こういう動きをしてほしい』という意図で、ああいった行動になった感じです」

 

質問で求められた通り、余すことなく意図を語ったのが河村だった。

 

だからこちらは追加で、こう聞くだけで良かった。

 

「自然に身体が動いていたような感覚ですか?」と。

 

河村は記者の目を見て、最後にこう答えた。

「そうですね。もう、本当に勝つためにやっているという感覚です」

 

 

あれは、CSという大舞台の勝敗を左右するもっとも重要なファクターである、『勝ちたい』という気持ちの表れだったのだ。

 

 

こうしてアウェーの横浜が、強豪川崎を相手に86-91で1勝目を挙げた。

2戦先勝方式のCS。明日は川崎が巻き返すのか,それともレギュラーシーズン中の順位では下につけていた横浜がアウェーで連勝を飾るのだろか。

 

以下にこの試合のスタッツを載せます。 

この試合のスタッツです

GAME2のスタッツ

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*スタッツの読み方*

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「HT」というのはHT突入時の総スタッツ。「3Qまで」は3Q終了時のスタッツ、「最終」は試合終了時のスタッツです。

横の軸:左から2Pシュートの成功数、試投数、成功率。3Pシュートの成功数、試投数、成功率。FT(フリースロー)成功数、試投数、成功率。

「OR」は「オフェンスリバウンド数」、「R」は「トータルのリバウンド数」。「AS」は「アシスト数」。「TOV」は「ターンオーバー数」。「ST」は「スティール」数。

「TOV得」はターンオーバーからの得点数。「ペイント」は「ペイントエリアからの得点数」。「Sチャンス」は「セカンドチャンスポイント数」。「Fブレイク」は「ファーストブレイクからの得点数」です。

数字に黄色い背景がかかっているもの:通常と比べて多かったり、高かったりするもの。

赤い字で書かれているもの:通常と比べて少なかったり、低かったりするもの。

太字で書かれているもの:上記2種類のうち、著しい値のとき。

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