限界突パ

西武・山村崇嘉、ロッテ・中森俊介。あの悔しい夏から4年、1軍で初対戦。「負けれない。同級生として」。

空虚の夏から4年が過ぎようとしている。

あれからそれぞれの門出を迎えた今年21歳になる青年たちは、今、どこで何をしているのだろうか。

「落ち込むことはなかったですけど、大会はやりたかったなというのは思います」

 7試合連続安打を放つなど、現在、最下位に沈む西武で一際存在感を見せている山村崇嘉はあの夏のことをそう振り返る。

2020年夏。世界的に猛威を振るった新型コロナウイルスの蔓延により甲子園大会が中止。当時、高校3年生だった選手たちの心は空っぽ状態になった。ただ、その中でたった1週間だけ、甲子園は「交流大会」と名前を変えて開催された。これも中止になった春のセンバツ大会に出場予定だったチームを甲子園に迎えて、ワンマッチの試合を行なったのだった。

あの日、同じ大会に出ていた選手同士がプロの舞台で戦う。

西武の山村に対峙するのはロッテの右腕・中森俊介である。

高校2年夏から明石商のエースとして君臨。2019年の大会はベスト4に導く活躍を見せていた。当時の高校球界屈指の右腕だ。今、スーパースターになった。中日の高橋宏斗とならび、甲子園が開催されていたら、もっと有名になっていたかもしれない投手だった。

「高校の時から知っていましたよ。(中森は)有名でしたからね。甲子園があったら(中森とチームメイトの)来田(オリックス)の2人は対戦したかったなって、そう思っていましたね」

 この日の対戦を前に、山村はそう語っている。

 甲子園が中止になり、対戦することが叶わなかった剛腕との対戦。もちろん、プロ入り後のイースタンや今年の春先の練習試合でも対戦したことはある。「まっすぐが動くピッチャーです。150キロ台で。しっかり見極めて打たないといけない投手」と山村は言うほどである。しかし、1軍の舞台となればまた違うだろう。しかも初対戦である。

「プロに入って初めて1軍で対戦するんですよね。負けれないです。同級生として」

先ほど、発表されたスタメンには5番サードとして山村は出場予定だ。

これまで、本職ではない一塁での出場が続いていたのはチーム事情からだった。昨日の試合で三塁手を守っていた児玉亮涼が負傷。トレードで移籍したばかりの野村大樹が昇格したものの「守りやすいところで」という指揮官の計らいで一塁起用。山村は本職の三塁へと回る。本人も守りたかったポジションである。

誰も経験したことがない悔しい夏。あの舞台を乗り越えて対戦する両者。

この日の1番の注目としてみたい対決だ。

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