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入団テストから支配下登録へ!西武・奥村光一が2年受験した西武の入団テストが魅力的なワケ

写真は「球団提供」。

西武が3年連続となる入団テストを実施すると発表した。

入団テストというと多くの場合、トライアウトの形式であることが多い。現時点での目に見えるポテンシャルを確認して入団の合否を決める。球団側としても、例えば、高校野球の地方大会で序盤に敗退した選手などを招き、その能力を確認するというケースもある。

しかし、西武が3年連続して実施ているのはそうした「一般的なもの」とは一線を画す。トライアウトのような実践形式のテストも実施するが、多くは測定会だ。それも、簡単に測れる数値などではない。

プロ野球のスカウトなどがアマチュア選手のスカウティングをする際に、スピードガンやストップウオッチを用いて能力を可視化するが、それとはまた別なるものだ。アジリティや反応スピード、フィジカル数値などのより特異な数値だ。

テストでは光電管をタッチするテストやメディシンボール投げなど多岐にわたる。単純にスピードを図るだけではなく、反応スピードや選手そのものの出力を確認するというものもある。

企画部の室長・市川徹氏はいう。

「 (アメリカの)ドラフトコンバインのようにしたいなというのをイメージしていますね。単純にスピードを図るのではなくて、加速力はどうであるのかとかを見極めていく。走力があるとか、パワーがある選手というのはたくさんいると思いますが、そうではないところを見極めていければと思います」

西武が今、研究していることの一つが「反応スピードについて」だ。

例えば、盗塁の際に必要なのは走力だけではなく、スタートを切る速度との相関を研究している。もし、先天的なものであるのなら、その数値だけ追いかければ良いが、後天的に成長が期待できるのであれば、それらを鍛えるトレーニングをすればいい。いわば、選手の新たな能力にスポットを当てていると言える。

このテストを2年連続で受験して入団した選手がいる。

今季入団し奥村光一だ。6月に支配下契約を勝ち取った育成枠出身の選手だ。

「1年目のテストを受けてから2年目、スピードに関してはすごく意識してトレーニングをしてきました」

 どうしても西武に入団したかったという奥村はテストの1年目から2年目にかけて様々なスピードを手に入れ入団にこぎつけた。昨季のドラフトでは支配下の指名選手が外野手はいなかったから、西武としては貴重な戦力にもなった選手だった。

もっとも、奥村が支配下になれたのは、それだけではない。ここが西武の育成システムが興味深い点だ。

彼の能力を可視化しつつ、1軍で活躍できる選手になるためのアプローチを施している。奥村を見れば一目瞭然だが、彼のスイングはとてもシンプルだ。奥村が言うには入団テスト当初はこんな打ち方をしていなかったそう。

「去年まではバットを立てるバッティングフォームだったんです。ライオンズに入ってから変えました。バイオメカニクス部門と相談しました。スイングプレーンといってスイングの軌道が長ければ長いほど、バットに当たる確率も高い。それでバットを寝かした方が軌道に入りやすいので、それでバットを寝かせています。スイングスピードはバットを立てていた時から変わらないんで、それなら寝かしたほうが当たる確率は高くなりますから。メジャーリーグのバッターも寝かしている選手が結構多いですし、そういうのを見たりして勉強しています」

昨今のプロ野球は打率が下がるなど投手が優位になっている。その背景には投手の進化に対して打者が追いついていないと言われることが多い。それは投手の研究に対する取り組みがバッターの方にまで浸透していないからである。投手が球速や回転数に取り組むようになっているのに対し、打者はそれに対応しようとはしていない。奥村の打ち方は現代の投手の進化に合わせて生み出されたものでもあるのだ。

スカウトが測るような値ではなく、特異なテストによって選手を選抜。入団してからも、先進的な育成方によって成長、いわば、奥村はこれまでの選手とは違う形で1軍戦力となっというわけである。。

3年連続のテストはおそらくさらに進化しているだろう。
これまでとは異なる取り組み。自分の何かの才能が見出されるかもしれないと受験してみるのもいいかもしれない。

応募資格などの詳細は以下の通り。

<応募資格>

2025年41日時点で18歳以上

・高校野球部在籍者は、来春卒業見込みで高野連へのプロ野球志望届完了者
・大学野球部在籍者は、来春卒業見込みで所属している大学の野球部を退部していること
・企業社会人チーム在籍者は、所属連盟の退部届提出完了者
・クラブ社会人チーム在籍者は、監督など関係者から受験を了承されること
・その他、2024年度新人選手選択会議指名対象者

<募集期間>

2024年718()2024年9月1日()

詳細は埼玉西武ライオンズオフィシャルサイトまで。

https://www.seibulions.jp/news/detail/202400471457.html

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