【検証2024 西武①「外野手争い」】なぜ、レギュラーは現れなかったのか。外野手争いの競争が緩んだ背景。
パ・リーグダントツの最下位に終わった西武。シーズン中の監督休養、GMの兼任、緊急トレードなど後ろ向きなニュースばかりだった2024年。シーズン100敗は免れたものの、西武の歴史の中でも記憶に残るシーズンだったのは間違いない。それでも埋め尽くされた観客、最後の最後までチームを見守ったメディアなど、まだチームに対する期待があると言える。「こんな成績でも期待してくれているのかなと。だから、来年は喜んでもらいたい」と語ったのはキャプテンの源田壮亮だ。しかし、シーズンを振り返らないことには未来はない。なぜ、優勝を目指していたチームはこれほどに低迷したのだろうか。その検証をお送りする。第1回目は「外野手争い」
今季の西武の課題のうちの一つになったのが外野手だ。
秋山翔吾のメジャー移籍以降、なかなか定位置を掴む選手が見当たらず、近年の不調を象徴しているとも言える。
とはいえ、筆者は2024年シーズンが始まる前は楽観視していた。
なぜなら、2023年シーズン中に多くの期待の若手たちが出場機会を得ていたからである。競争の激しさから、レギュラーが誕生すればこの中から抜きに出た選手はそれなりのレベルのところにはくるだろう。2023年、入れ替わり立ち替わり出場機会を得た選手が必ず台頭する。そんな予想をしていたのである。
その予想を確かなものにしたのが当時はGMだった渡辺久信氏の言葉だった。
昨年の12月末ごろの話だ。
西武は、ここ数年、マスコミを集めた納会を開催している。
テレビや新聞の担当記者たちを集めての会合だ。パーティは立食で、その場には渡辺GMをはじめ、球団社長の奥村剛氏、飯田光男球団本部長、広池浩司副本部長など球団フロント首脳たちが顔をだす。
お昼前の開催なので、お酒を飲むことはないのだが、ベルーナドームにあるグリーンフォレストの一部を使用しての会だ。
そこに、初めて筆者も招かれた。
やはり会の中心にいるのは、1年間、毎日のように取材に来ていた番記者たちで、我々、フリーランスは隅のほうにいる。ある大手新聞社の名物記者は渡辺GMを誰にも渡さないくらいの空気で、ずっとくっついてお話をしている。番記者はそれぞれ、仲のいい首脳たちと話している、そんな空気だ。
筆者もそこに紛れていこうと、奥村社長と挨拶を交わし、番記者とたわいもない話をしていた。そうしているうちに会が中締めとなり、割と緩やかな空気が流れていた時だった。たまたま、トイレに行っていた渡辺GMとあったのだ。シーズン中に取材を受けてもらっていたので、そのお礼などを話すと、GMの方が突如、予想だにしない話をしてきたのだ。
(残り 2166文字/全文: 3250文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ