【検証2024 西武⑤】なぜ、西武の打撃は低迷したのか。源田壮亮、岸潤一郎らがハマり込んだ沼。
パ・リーグ最下位に終わった西武。シーズン中の監督休養、GMの兼任、緊急トレードなど後ろ向きなニュースばかりだった2024年。シーズン100敗は免れたものの、西武の歴史の中でも記憶に残るシーズンだったのは間違いない。それでもスタジアムを埋め尽くした観客、最後の最後までチームを見守ったメディアなど、まだチームに対する期待があると言える。「こんな成績でも期待してくれているのかなと。だから、来年は喜んでもらいたい」と語ったのはキャプテンの源田壮亮だ。しかし、シーズンを振り返らないことには未来はない。なぜ、優勝を目指していたチームはこれほどに低迷したのだろうか。その検証をお送りする。第5回目は「源田壮亮、岸潤一郎がハマり混んだ沼」
その光景には代行に就任した渡辺久信も、ナインも、複雑な思いに駆られたに違いない。
そして、我々メディアも、声のかけようがないと感じるシーンの一つだった。
6月11日の対広島戦。
1点ビハインドで迎えた9回裏、2死からチャンスを掴んだ西武は代走・高松渡の二盗によって同点の機会を伺っていた。打席に立った源田壮亮は広島のクローザー栗林から3ボール1ストライクと有利に進めていた。ところが5球目、源田の捉えた打球は一塁ゴロ。一塁手がさばくとベースカバーの投手へ送りゲームセット。必死に一塁へ向かった源田はベースの前で決死のヘッドスライディングを試みたが一歩及ばなかった。
立ち上がれない源田の様子はチームが深刻な状況にあることを示したかのようでもあった。駆け寄った、その日の先発・今井達也の姿は感動を呼ぶ一方、光の見えないチーム状態を感じさせる一幕だった。
だが、のちに源田にこの日のことを聞いてみてわかったのは、この敗戦以上にのしかかる重たいものがあったという事実だった。
源田の回想。
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