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【高校野球】南地区公立大会 久米田×泉陽 観戦記

3月10日に久米田高校のグラウンドにて、南地区公立大会の試合が行われた。スコアは以下のようになった。

久米田

000000000

00010014X

泉陽

【バッテリー】

久米田 原田→立花-田中

泉陽 吉田-天堀

この試合のランニングスコア

旧チームからエースを務める両投手の投げ合いで終盤までは息詰まる投手戦だった。泉陽が4回裏、7回裏にそれぞれ1点ずつ取って先行するものの、バッテリーミスや失策が絡んだもので打たれた感じではなかった。ただ、8回裏に泉陽が久米田の先発・原田紘輔を捉える。下位打線からチャンスを作り、2番古川直、途中出場の3番国本亜門の連続適時打などでビッグイニングを作った。そのリードを吉田惺が9奪三振とほぼ完ぺきな投球で完封勝利。ゴロアウトの数も多く、安定した守備陣がそれに応えるようにアウトを重ねて、吉田の投球に勢いを与えた。

左打者の外角いっぱいに決めて見逃し三振を奪う泉陽・吉田惺。9回になっても球の精度は変わらず。

一方の敗れた久米田は先発の原田紘輔がポテンシャルの高さを見せた。牽制も素早く、曲がりの大きい変化球と伸びのあるストレートのコンビネーションはまだまだ成長の余地を残している。惜しむらくは失点に絡むミスが目立ったこと。8回のビッグイニングもきっかけはバント処理の悪送球だった。また、攻撃面では吉田に抑えられる場面が多かったが、7回表に四球と吉田の牽制悪送球で2死二塁のチャンスを作ると、8番下川悠人が中前安打を放つ。数少ないチャンスに二塁走者は三塁を回るが、投手もこなす泉陽の中堅手・安田拓人が本塁へレーザービームのストライク返球。2死とはいえ、やや浅い当たりだったため、安田が投手をするという情報があれば回したかどうか。終盤までは1点が重たい展開だったため、もし、同点に追いついていればゲームの行方も変わっていたかもしれない。

マウンド上の久米田・原田紘輔。ほぼ、旧チームからのメンバーばかりの中で昨年からエースを務める。打撃も非凡でこの日はあわやという当たりも

この試合の命運を大きく分けた7回表の泉陽の中堅手・安田拓人の好返球。安田も右腕を上げて、盛り上がるベンチへ戻る

南地区公立大会は春季大会を前に決勝と3位決定戦が3月下旬に予定されている。敗れた久米田は生野と、勝利した泉陽は八尾とそれぞれ対決する。久米田も守備のミスが目立ったが、普段は安定した守備が持ち味の泉陽もこの日は守備のミスが散見され、観戦スペースの保護者からは「珍しいな」という声も。この練習試合のシーズンで守備の立て直しを図りたいところだ。

試合後にミーティングを行う泉陽の監督、選手たち

試合後にミーティングを行う久米田の監督、選手たち

また、この試合も当然、新基準バットが使用されているわけだが、やはり、打球が一伸び足りない、以前のバットなら……というシーンは何度かあった。ただ、それ以上に気になったのは併殺崩れが多かったことだ。おそらく、ゴロの打球速度も落ちているのだろう。その転がらない影響もあったか、この日はバント処理のミスもよく見られた。私学同士だと、変わるのだろうか?その推移はこのセンバツやこれからの春季大会などでも見ていきたい。現場の人は今年はその対応に試行錯誤を続ける日々となりそうだ。

 

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