かるたーの大阪野球マガジン

【社会人野球】姫路ウインク球場リニューアル竣工記念試合 YBSホールディングス×日本製鉄瀬戸内

2024年629日に兵庫県の姫路ウインク球場のリニューアル竣工を記念し、市内の社会人野球チームによる記念試合が開催された。姫路ウインク球場は2014年にスタンドなどの大規模改修工事を完了したものの、今回はナイター照明の新設、電光掲示板のLEDビジョンのよる全面フリーボード化が完了してのもの。これにより、ほぼ球場の改修工事はほぼ改良したと言っていいだろう。

この日の試合会場になった姫路ウインク球場。このたび、電光掲示板が改修、照明塔が設置され、ナイターゲームが開催可能に。今年の7月20日にはフレッシュオールスターの会場にもなっている

記念試合は7月に行われる都市対抗野球への出場を決めている日本製鉄瀬戸内と今年からクラブチームから企業チーム登録となったYBSホールディングスの姫路市内の社会人野球チームによる試合で行われた。都市対抗出場を決めている日本製鉄瀬戸内への壮行試合の側面もあっただろう。その試合の結果は以下のようになった。

ウインク球場リニューアル竣工記念試合

(時間切れ・規定により6回打ち切り)

YBSホールディングス

100000

000000

日本製鉄瀬戸内

リニューアルされた電光掲示板に表示されるランニングスコアとメンバー表。全面LEDフリーボード化されたことにより、様々な演出や表示も可能になった

試合はYBSホールディングス(以下、YBS)が初回に1番の米麦波留(高松商→大阪公立大)が粘って四球で出塁すると、犠打の後、1死二塁から3番石川龍平(東海大大阪仰星高→東海大)の適時打で1点を先制する。日本製鉄瀬戸内(以下、瀬戸内)もその裏に2死から一、二塁の好機を作るが大阪ガスからの補強選手・花本太紀(東大阪大柏原高→創価大)が凡退し、あと一本が出ず。

そこからはお互いファウルで粘ったり、たびたび走者は出すもののホームが遠いもどかしい展開で試合が進んでいく。YBSは先発の柳原優太(自由ヶ丘高→日本文理大)と二番手の石本涼人(瀬戸内高→広島経済大)によるリレーで試合を締め、スミ1で瀬戸内を下した。瀬戸内は先発の神頭剛(関西高)、パナソニックからの補強選手・榎本亮(京都学園高佛教大)、伊藤銀二(立志舎高)による3人の継投で試合を作ったが及ばず。補強選手も合流し、都市対抗野球本戦に向けて、チーム作りをこの一か月で仕上げていきたい。この日は打線が振るわず、本戦に向けては不安を残す試合展開だったが、昨年の日本選手権王者の大阪ガスが予選敗退するなど近畿地区はハイレベルな激戦区。紙一重の勝負だったということだろう。ただ、試合内容も全体的にYBSが押していたように感じた。YBSは昨年まではクラブチームだったが、昨年末に企業登録へと活動形態を変更した。選手層を見ても力を入れている様子が見て取れる。6月中旬には中日ドラゴンズのファームと交流戦を行っており、あわや勝利というところから逆転サヨナラ負けを喫した。だが、二軍とはいえ、(2024年7月1日現在)ウエスタンリーグでは首位のチームかつプロと互角の試合をできたことは選手にとっては自信になったようだ。今回はその勢いを感じさせるものだった。来年の二大大会、いや、今年の日本選手権に出場してもおかしくない力を感じさせる。今後の飛躍なるか、注目だ。

先制の適時打を放ったYBS・石川龍平。今年から加入し、早速、3番打者と中軸を務める。この日も高校時代から定評のある思いっきりのいいスイングから、鋭い打球を連発した

◆YBSホールディングスの1年目・石川龍平が感じる企業チーム化の重み 「フレッシュさを出しながらも企業チームとして負けてはいけない」

この日、マルチヒットと点数以上にチームを勢いづける活躍を見せたのがYBSの石川龍平だ。東海大大阪仰星高時代は鋭いスイングから強烈な当たりを放つリードオフマンで、守っては二塁をこなすセンターラインを固める攻守の要だった。鋭いスイングは大学、社会人になってからも健在で、YBSでは1年目ながら3番を任され中軸の役割もこなす。先日、行われた都市対抗野球の近畿地区の2次予選では本塁打も放つなどパンチ力も備えている。1番を打つ米麦、東海大の同期でこの日、4番を打った北口恭輔(埼玉栄高→東海大)らとともに野手陣の中心となるだろう。そんな石川に試合後に話を聞くことができ、都市対抗出場はならなかったが、ここまでの取り組みについては、

(残り 4835文字/全文: 6845文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ