かるたーの大阪野球マガジン

【高校野球】秋季大阪大会5回戦 大阪電通大高×初芝立命館 試合記事

9月29日に大阪シティ信用金庫スタジアム(以下、舞洲)にて行われた秋季大阪大会5回戦の第二試合の大阪電通大高(以下、電通高)と初芝立命館のゲームをリポート。ランニングスコアは以下のようになった。

大阪電通大高

000100100

00100311X

初芝立命館

【バッテリー】

電通高:加堂、吉田、山崎上畑

初芝立命館:青木、竹内、小出今下

この両チームは前日にも4回戦を戦っており、3人の投手を使う継投勝負となった。電通高は背番号4の加堂碧一、初芝立命館は青木亮太とそれぞれ控え投手を先発に持ってきた。

内野手登録だが、5回戦の先発に抜擢された加堂碧一。お互い継投勝負の中、5回までは1失点と粘ったが、6回に初芝立命館の打線につかまった

序盤はお互いに静かな立ち上がりだったが、試合が動いたのは3回。表の攻撃で電通高が2死二、三塁のチャンスを作るも3番加堂は凡退し、無得点。一方、その裏、初芝立命館は2死一、三塁のチャンスで4番岡琢磨が右前適時打で1点を先制する。

3回裏に先制の適時打を放った初芝立命館・岡琢磨。エースナンバーを背負い、4番も打つ二刀流。パワーヒッターとしての素質も高い

しかし、電通高も4回表に1死二塁で6番松居良太朗が中堅深くまで飛ばす適時二塁打ですかさず同点に追いつく。松居はコンタクト力には課題がありそうだが、ツボに入った時の飛距離は目を見張るものがある。そして、松居の同点適時打ですぐに初芝立命館は先発の青木から竹内柊海へ継投。電通高も加堂次第で継投勝負になりそうな様相を呈したまま、試合は同点のまま前半を折り返す。

一時は同点の中越適時二塁打を放った大阪電通大高・松居良太朗。確実性に欠けるが、豪快なスイングと外野深くまで運べるパワーは魅力的だ。

静かに動いていた試合展開で抜け出したのは初芝立命館だった。6回裏、1死から6番山下煌太朗が内野安打、7番今下駈流が一、二塁間を破り、連打でチャンスを作る。8番投手の竹内が犠打の後に9番中川が中前へしぶとく運ぶ2点適時打、さらに1番に帰って小出翔良(=つばさ)が左越えの適時三塁打で初芝立命館がこの回で一気に3点を勝ち越した。

やや離された電通高は7回表に1死二、三塁のチャンスを作り、4番田井駿汰の内野ゴロの間に1点を返し、まだあきらめるには早いとすぐに反撃。ただ、このイニングで複数得点を入れることができなかったのが痛かった。初芝立命館は終盤に入っても攻撃の手を緩めず、7回裏には失策や暴投が絡み1点、8回裏には1番小出がまたも左翼手の頭上を襲う当たりを放ち二塁打。失策で1死一、三塁とした後に4番岡が犠飛を放ち、じりじりと初芝立命館が差を広げる。投げては7回からマウンドに上がった打撃でも絶好調の小出が立ち上がりこそ失点したものの8回、9回はきっちりと抑えて、初芝立命館が後半で広げたリードを守り切り、8強進出を果たした。

1番を打つ初芝立命館の主将・小出翔良。小柄だが、外野の頭上を襲う当たりを放ち、長打力も備える。投手もこなせる強肩も魅力だ

◆敗れた大阪電通大高・岡野穂高監督「勝ち切って、次に行けたらと……」

この両チームは公立勢には快勝も私学相手には競り勝つという似通った形でそれぞれ勝ち上がってきた。実を言うと、個人的な試合前の見立てでは電通高の方がやや有利と思っていた。

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