【高校野球】秋季近畿大会 10月19日、20日、21日の結果
兵庫県のほっともっとフィールド神戸にて、来春のセンバツ出場校を決める重要な参考資料となる秋季近畿大会が始まった。10月19日の試合は天候不良のため第一試合のみ行われ、残りの2試合は10月21日の月曜日に回された。この週末に行われた試合は以下のようになった。
10月19日(土)
第一試合 滋賀短大付(滋賀2位) 4-1 履正社(大阪1位)
10月20日(日)
第一試合 東洋大姫路(兵庫1位) 9-0 龍谷大平安(京都2位)(7回コールド)
第二試合 市和歌山 (和歌山3位)1-0 三田学園(兵庫3位)
第三試合 立命館宇治(京都1位) 4-1 奈良(奈良2位)
10月21日(月)
第一試合 天理(奈良1位)5-1 和歌山東(和歌山2位)
第二試合 大阪学院大高(大阪3位) 1-0 北稜(京都3位)
履正社が近畿大会初出場の滋賀短大付に敗れる結果となった。履正社は2年ぶりのセンバツ出場が厳しい状況に。逆に勝利した滋賀短大付はまだ当確ランプは灯っていないが、今年は3位校同士がぶつかるカードになったことで県大会の成績、滋賀学園と大阪桐蔭の結果次第では地域制でも有利になることから、この1勝だけでセンバツ初出場が大きく近づく可能性もある。
10月20日には3試合が開催。第一試合はで東洋大姫路が龍谷大平安をコールドで下し完勝。東洋大姫路を率いる岡田龍生氏はご存じの方も多いと思うが、履正社の前監督。履正社時代、龍谷大平安は相性の悪い相手だったが、その苦手意識を払しょくする勝利となった。このまま、センバツも決めそうな勢いだ。第二試合の3位校対決は市和歌山が、第三試合は京都1位の立命館宇治が勝利した。
順延となった1日目の残りの2試合は天理と大阪学院大高(以下、大院大高)が勝利。昨年まで天理大の監督だった藤原忠理氏が今年から天理高の監督を務めているが、大学のリーグ戦ではほっともっとフィールド神戸が試合会場になることも多く、球場の特性を知り尽くしている人物だ。それが有利にはたらいたか。大院大高は予想通り、北稜の軟投派のエースに苦戦したが、下條が完封し、虎の子の1点を守って逃げ切った。次戦は強力打線の東洋大姫路だが、こちらも持ち前の打線を爆発させたいところ。
◆後半、文字通り水を差された履正社、水を得た魚の滋賀短大付
今回は速報で履正社と滋賀短大付の試合をレポートする。監督、選手のコメントとともに勝敗を分けたポイントはどこだったのか。
まず、下馬評では大阪桐蔭に勝利した履正社が有利と見ていた人が多かっただろう。選手層やチーム力はもちろんだが、滋賀短大付は秋季近畿大会は初出場。対する履正社は多田晃監督になってからも3年連続の出場となり、昨年の秋を経験した選手も出場している。この経験値という部分でも履正社が有利に思われた。さらに試合会場となるほっともっとフィールド神戸は内外野天然芝という日本では数例しかないグラウンド環境。特に内野手はただでさえ、ゴロの処理が難しいうえに試合開始から雨が降り出すなど、滋賀短大付にとっては受難ともいえる状況だった。

1回表、1番矢野塁がセーフティバントをしかけて出塁。この後、辻琉沙の犠飛で生還する。そつのない攻撃で幸先のいいスタートを切ったかに見えた履正社だったが…
先攻の履正社は1番矢野がいきなりセーフティバントをしかけて出塁。盗塁と犠打で三塁へ進むと、3番辻琉沙の犠飛で1点を先制する。滋賀短大付は最少失点で切り抜けたが、履正社は裏の攻撃も3人で片付け、幸先のいい滑り出しだった。2回表も先頭の6番田中日和大が中堅右への安打で出塁する。ただ、今思えば、滋賀短大付としてはこの当たりを長打にせず単打で止めることができたのが大きかったかもしれない。この後、併殺崩れ、二塁手が送球をこぼしたり、飛び出した走者に気づかなかったりと滋賀短大付の選手たちはまだまだ浮足立っていた感があった。履正社としてはこの間に畳みかけたいところだったが、走者を上手く進めることができずに無得点に終わった。この辺りから履正社は予報よりも早く降り始めた雨に水を差されるかのようなもどかしい試合展開になっていく。
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