かるたーの大阪野球マガジン

【高校野球】秋季近畿大会 10月26日、10月27日の結果

一週間前と同じく天候が心配されたが、残っていた1回戦2試合と来春のセンバツ出場に大きく影響する準々決勝4試合もすべて行うことがでいた。結果は以下のようになった。

10月26日

1回戦

滋賀学園(滋賀1位) 32 大阪桐蔭(大阪2位)

智辯和歌山(和歌山1位) 50 神戸学院大付(兵庫2位)

準々決勝

天理(奈良1位) 41 滋賀短大付(滋賀2位)

10月27日

準々決勝

東洋大姫路(兵庫1位) 40 大阪学院大高(大阪3位)

市和歌山(和歌山3位) 100 立命館宇治(京都1位)〈6回コールド〉

智辯和歌山(和歌山1位) 72 滋賀学園(滋賀1位)

近畿4強が出そろい、天理、東洋大姫路、市和歌山、智辯和歌山の4校が来春のセンバツ出場に大きく前進。その一方で準々決勝で敗退した4校はなかなかに微妙な立ち位置。試合内容、地域制、府県大会の成績など、どれもストロングポイントやウィークポイントがあり、かなり賛否のある選考結果となりそうだ。特に滋賀学園が大阪桐蔭に勝利したこと、3位校の市和歌山がコールド勝ちで準決勝に進出したことが選考の複雑さに拍車をかけそうだ。また、準決勝以降の試合結果、神宮枠を取ってくるかでも選考に影響してくるだろう。

◆大阪勢は二強が初戦敗退。大阪学院大高が8強入りも立ち位置は微妙

今秋の近畿大会は大阪勢にとっては厳しいものとなった。

開幕試合で履正社が滋賀短大付に敗れたのが事の発端だったのかもしれない。雨中に行われた試合は相手エース・櫻本のコースを丁寧に突く投球を前にあと一本が出ず、ワンチャンスで逆転負けを喫した。大院大高も京都3位の北稜相手に同じような展開で進むが、こちらは先発した下條が完封し、虎の子の1点を守り切って辛くも1勝。準々決勝では東洋大姫路のエース・阪下を前にマダックスのおまけがつく完封負け。ノーサイン、ノーバントのフルスイング野球は見ていておもしろいという人もいるとは思うが、2試合で1点しか取れなかった攻撃面についてはマイナス材料だろう。大阪桐蔭は単純に滋賀学園ががっぷり四つで渡り合った。県大会での戦いぶりを見ていた他の記者も滋賀短大付が履正社に勝利した時ほどの驚きはなかった。昨年も滋賀学園は履正社と対決、今年の夏も甲子園を経験し8強入り。旧チームからメンバーは入れ替わったが、場慣れもして、大阪桐蔭相手にも身構えることなく戦えたのではないだろうか。大阪桐蔭は初戦敗退し、大阪も2位だったが、戦力的なバランスは旧チームよりも上だったと思う。ただ、相手が1位校で野球もきっちりしており、初戦という難しさ、なにより新基準バットの煽りをまだ受けてる印象がある。もともと、従来の金属バットの時でも長打にならない打球を打ち上げてフライアウトを量産する淡泊な攻撃をするのが主な負けパターンだった。この秋はエンドランなど機動力も絡める攻撃も見られたが、まだ形にはなってないようだ。

地域制で大院大高も選出の芽はあるが、現時点では1927年春の第4回大会以来のセンバツに大阪勢なしの可能性もありえる。2003年春は大阪勢は初戦で全滅しながらもいわゆる「センター返し枠」で無理やりねじ込んだ。ただ、今度ばかりはそんな力業は使えないだろう。近年でも2012年春、2015年春と兵庫勢が初戦で全滅した年があったが、その際は容赦なく選出はなかった。他の関東地区も枠はそれなりにあるが、神奈川勢から1校も選出されないことも珍しくない。仮に来春、大阪勢からセンバツ出場校が0でも特段、騒ぐほどのことではない。しかし、新基準バットだけでなく、野球のスタイルそのものが全体的に変化していることは受け止めるべきである。

現状、大阪勢で唯一、来春のセンバツ出場の可能性がある大阪学院大高。2試合で1得点の戦いぶりがどう評価されるか。ただ、主力に1年生が多く、将来性は高い。

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