かるたーの大阪野球マガジン

【高校野球】どうなる?センバツ近畿枠

11月25日で神宮大会が閉幕。高校の部は横浜が優勝し、神宮枠は関東地区に与えられることになった。準決勝では近畿代表の東洋大姫路が優勝した横浜相手に延長戦まで持ち込むも及ばなかった。これで来春の近畿地区は例年通り6枠になる。それを踏まえて、来春のセンバツの近畿の出場校はどうなるのか。かなり選考は混迷を極めそうだが、どんな選考パターンが考えられるかを選考理由も交えて予想してみる。

まずは近畿大会の結果をおさらいする。

優勝:東洋大姫路(兵庫1位)

準優勝:智辯和歌山(和歌山1位)

4強:天理(奈良1位)、市和歌山(和歌山3位)

8強:滋賀短大付(滋賀2位)、大院大高(大阪3位)、立命館宇治(京都1位)、滋賀学園(滋賀1位)

よほどの番狂わせがない限りは四強以上は当確と言っていい。では、残りの2校はどこになるのか。4パターンを考えてみた。

【選考パターン1】

東洋大姫路、智辯和歌山、天理、市和歌山、滋賀学園、滋賀短大付

府県大会の成績、地域制などは関係なしに近畿大会の内容重視で選考する場合はこの6校になると考えられる。5校目の滋賀学園は初戦で大阪桐蔭に勝利したこと、連戦という不利な日程、県大会での圧倒的な成績を考えると、選出される可能性は大。滋賀短大付は1回戦で履正社に勝利し、準々決勝の天理戦でも持ち味を発揮し、試合巧者ぶりを見せた戦いぶりが評価されるだろう。そして、滋賀勢2校に敗れた大阪勢の中で8強止まりとなった大院大高はこの選考理由だと、滋賀勢2校を上回る材料がなく補欠校に留まる。立命館宇治もコールド負けが響いて、選考から漏れると見る。また、この2校は0封負けという点も心象が悪い。この選考パターンが最もシンプルかつ波風が立ちにくいか。

【選考パターン2】

東洋大姫路、智辯和歌山、天理、市和歌山、滋賀学園、立命館宇治

地域制、府県大会の成績を重視した場合はこのようになると思われる。立命館宇治は3位校にコールド負けというイメージの悪さはあるが、京都1位の成績と地域制を加味して、大院大高、滋賀短大付を上回る可能性はある。実際、過去にも準々決勝でコールド負けからこのような理由で選出された例はある。地域制を重視した場合、滋賀短大付は県大会の成績で滋賀学園を上回れない。すると、大院大高との比較になるが、府県大会においての3位と1位の差で立命館宇治が6枠目に選出という形だ。立命館宇治がコールド負けでなければ、すんなりとパターン1でこの6校になっていただろう。此度の近畿大会の結果でこの選出は賛否の声が起こる可能性は高い。

【選考パターン3】

東洋大姫路、智辯和歌山、天理、市和歌山、滋賀学園、大院大高

大阪勢を出すために地域制、優勝した東洋大姫路との試合内容を考慮して、大院大高を6枠目に選出するパターン。滋賀学園までの5枠目の説明はほぼ同じなので割愛する。この近畿大会を強打で優勝した東洋大姫路を最も抑えたチームが大院大高である。神宮大会を含めても東洋大姫路は横浜以外はかなり打ち込んでいる。府大会でも3位決定戦を除けば、大阪桐蔭も3失点に抑えるなどディフェンス面は評価されるはずだ。また、スイングの力強さ、主力メンバーが下級生中心であること、一冬越えての将来性に期待といったもの。もし、自分が選考委員でどうしても大院大高を出したいのであれば、以上の理由で推薦する。2試合で1得点とノーバント、ノーサインによる攻撃面の粗さが指摘される可能性は高く、この辺で試合巧者ぶりを見せた滋賀短大付を上回れるかどうか。

他には初戦敗退の履正社、大阪桐蔭から選出される可能性は0とは言い切れないが、2003年の近大付の選出以降、20年ぐらいは近畿の逆転選考はほぼないので、限りなく低いといえる。

また、もうひとつ注目なのが21世紀枠との兼ね合いである。大阪からは伝統校の市岡が推薦されており、近畿の推薦校に選出された場合、ここから大阪勢を出し、パターン1かパターン2の選考になる可能性はある。2012年のセンバツではこのような形で兵庫勢の出場なしを回避した。ただ、今年のセンバツでは和歌山の田辺が21世紀枠で出場していることもあり、2年連続で近畿から出る可能性は微妙なところだ。金属バットも低反発になり、野球のトレンドそのものが変わっており、大阪だけでなく、高校野球全体が転換期を迎えているといっていい。その中で来春のセンバツは98年ぶりの大阪勢不在の大会となるのか。センバツの出場校発表は2か月後の2025124日、ここでどんな答えが出るのか。今後の大阪の高校野球のあり方も変わる日となるかもしれない。

大阪勢として、来春のセンバツ出場の可能性がある大院大高。はたして、吉報は届くか?

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