かるたーの大阪野球マガジン

高校野球7イニング制について語る

12月6日、日本高等学校野球連盟(高野連)は大阪市内で理事会を開催。主な議題内容は高校野球7イニング制、リプレイ検証の導入可否など。また、202555日に阪神甲子園球場にて、軟式の高校球児による東西選抜チームで戦う交流戦が行われる模様だ。1試合のみではあるが、これで女子硬式高校野球、大学準硬式野球に続いて、甲子園でプレーする機会を得るカテゴリーが増えた。

さて、今回の理事会の主な議題の内、リプレイ検証の導入については昨今の情勢もあり、歓迎の声が多い反面、7イニング制については賛否の声が多いようだ。今回は高校野球における7イニング制について語る。

トップカテゴリーなど通常、野球は9イニングを行うスポーツである。ただし、中学生以下は現在も7イニング制や時間制だったりと例外はある。イニングを短縮する野球のカテゴリーが高校まで引き上げられることになる。長年、高校野球は9回という試合を見てきた人からすれば、違和感を覚えることだろう。意見としては試合時間短縮、それによる選手の身体的負担の減少などのメリットがあげられた一方で、試合を楽しむ時間や選手の出場機会の減少などがデメリットとして理事会でもあげられたようだ。実際、ネットなどでの反応でもデメリットに対する声が多く、やはり、野球は9回を戦うもの、ドラマが薄れる、中学とは違い、プロ入りにも直結する可能性のあるカテゴリーのため、体力面や身体的な強度についても不安視される声もある。

とはいえ、国際大会であるU-18W杯ではすでに7イニング制を採用しており、この前の東京五輪で野球が採用された際にも7イニング制が試合時間短縮の一つの案として出たぐらいである。タイムアウトがなく、スムーズに試合が進行しても9回を戦えば2時間を越える野球というスポーツはタイパを重視しがちな現代人にとっては長く感じるのだろう。今回の理事会では来年の導入はなく、リプレイ検証も同じく早くとも2026年以降とされる。タイブレークの時もそうだったが、おそらく、近い将来、実現ありきでワーキンググループを進めているはずだ。

◆なぜ、7イニング制を検討するのか

では、高校野球が今後、7イニング制になることに関して、個人的な意見を言うと、賛成というよりはやむを得ないと思っている。

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