阪神大学野球連盟 令和7年春季リーグ戦開幕!
2025年4月5日。今年も関西学生野球連盟、関西六大学野球連盟、阪神大学野球連盟、近畿学生野球連盟の関西の5連盟の内の4連盟が一斉に開幕。さらに前日にはそれらに先立ち、京滋大学野球連盟も開幕した。今年は京滋大学にドラフト候補が複数いることから例年以上に注目されるリーグとなりそうだ。2部リーグなどもすでに開幕しており、大学野球ファンにとっては体がいくつあっても足りないと思うような時期となった。

第一試合の前に行われた優勝旗の返還。この春も再び天理大の手に渡るのか、それとも…
その中で今年は阪神大学野球連盟の1部リーグの開幕節が行われたほっともっとフィールド神戸へ。この連盟で注目なのは8連覇中の天理大をどこが止めるのか、連盟史上最長となる9連覇なるか、というところだ。そんな第1節の試合結果は以下のようになった。
第一節
4月5日 第1戦
第一試合
関国大 000 000 001 1
天理大 000 000 000 0
第二試合
大産大 100 400 010 6
大体大 030 000 100 4
第三試合
関外大 000 000 000 3 3
甲南大 000 000 000 0 0
4月6日 第2戦
第一試合
大体大 000 000 000 0 0
大産大 000 000 000 1x 1
第二試合
甲南大 010 000 000 1
関外大 000 012 00X 3
第三試合
天理大 001 200 012 6
関国大 001 000 000 1
阪神大学の絶対王者・天理大が昨秋リーグ6位の関西国際大(以下、関国大)に敗れた。これが波乱を呼ぶ幕開けとなったか、他の2試合も昨秋4位の大阪産業大(以下、大産大)、同5位の関西外国語大(以下、関外大)の下位チームが上位チームに勝利するという結果となった。ただ、昨秋も天理大以外は引き分け一つで順位が大きく動き、上位と下位の差は少なかった。関国大も大きく負け越したとはいえ、投手陣の能力は高く、低迷の要因となった打線の決定打不足さえ解消すれば、一気に優勝を狙えるほどのチームだ。そんなチームが開幕戦でいきなり天理大と対決する組み合わせになっているため、天理大の連覇が止まる、あるいはどこかが止めるとすれば今春ではないかと睨んでいた。

豊富な投手陣の中で関西国際大・鈴木英之監督が最も力をつけたと評する中川大雅(4年・箕島)。勝利を呼び込む気迫の投球を見せた。
ただ、第2戦では天理大が中盤から抜け出し、後半に突き放す王者らしい試合で関国大に勝利し、成績をタイに戻した。ただ、大産大、関外大は2連勝で第一節を終えて、同率の首位となっている。第二節で関外大が、第三節で大産大が天理大とそれぞれ直接対決があるため、ここの結果次第で今春のリーグ戦の行方が大きく左右される予感がする。昨秋の上位チームである大体大、甲南大は2連敗スタートとなったが、まだまだ巻き返せるチャンスはあるだろう。
阪神大学野球連盟は2025年春季リーグは勝ち点制ではなく、勝敗に基づくポイント制のため、最大で2連戦までしか行われない。リーグ戦とはいえ1勝、1敗の価値が重たい。初戦に天理大に勝利した関国大・鈴木英之監督も「勝ち点制ではないので、後々、考えた時にこういう1勝、1勝が大きいですよね」と語る。関国大も昨年の課題である決定打不足を解消しきれていないが、天理大も昨年、中軸を担った選手の穴が大きい。また、第一節は無得点で決着つかず、タイブレークまでもつれた試合が2つあるなど、ロースコアのゲームが目立つなど、どこも決定打に欠けているのが現状で抜けた存在はいないといっていい。
「ま、大混戦になるんじゃないですか」
鈴木監督が不敵に笑いながら、そう言うと、試合後の取材を締めた。果たして、この春、鈴木監督の言葉が現実となるか。また、1部リーグだけでなく、東西に分かれた2部リーグの争いも熱い。例年、6位が多い摂南大には本来なら社会人野球か東都に誘われるレベルの投手が入学し、兵庫大はこれまでは指名打者制も活用できないほど少人数での苦しい戦いだったが、今年は大量の1年生部員が加入、強化に本腰を入れ始めたか。これらの2部の戦いも見逃せない。他の連盟に比べれば、注目度は低いかもしれないが、連盟のキャッチコピーである「進化し続ける阪神リーグ」は年々、関西の戦国リーグの予感が漂っているリーグだ。今年の7月には選抜メンバーを選出しての台湾遠征も予定されており、その選手たちの戦いぶりをぜひとも見届けてほしい。