京滋ベースボールパーク(KBP)

滋賀短大附が甲子園初出場!緊張の瞬間に密着

24日に第97回選抜高等学校野球大会に出場する32校が決まり、滋賀短大附が春夏通じて初の甲子園出場を果たした。

喜びが溢れる滋賀短大附の選手たち

地域性で不利な前評判を覆す

滋賀短大附は秋の近畿大会8強。1回戦で大阪1位の履正社を下していたが、同じ8強には滋賀大会決勝で敗れた滋賀学園と92大会連続で出場校を送り出している大阪の大阪学院大高がいる。地域性を踏まえると、滋賀短大附は厳しいという見方が強かった。実際に筆者がSNSを見ていても滋賀学園と大阪学院大高を5、6校目に挙げている人が多かった印象だ。これについては、保木淳監督も感じていたという。

「色んな報道を見ても、うちの線は0ではないけど、やっぱり可能性は低いだろうなと思っていました。もちろん期待の気持ちはありましたけど、どちらかというと、半ばちょっと諦めの気持ちも入りつつ、ちょっと期待もしつつという感じでした」

近畿大会が終わってから、センバツに選ばれることを前提に練習を続けてきた。「仮に甲子園に行けなくても、『甲子園に出られるかも』と思ってやってきた練習が無駄になるわけじゃない」と保木監督は選手に説き、「『選ばれても選ばれなくても、やることは変わらない』と言われていたので、いつも通りやろうと思ってました」(森伸文主将・2年)と選手もそれに応えて、運命の日を待った。

1月24日、筆者は滋賀短大附に取材に向かった。14時前に到着。保木監督や小林昌彦校長は報道陣と挨拶を交わし、和やかな雰囲気が漂っていた。

しかし、15時半に選考結果が発表され始めると、報道陣や学校関係者が集まったホールは緊張に包まれる。保木監督は両手を合わせ、祈るようにライブ配信の画面を見つめる場面もあった。

手を合わせて画面を見つめる保木淳監督

21世紀枠の後、北から順番に出場校が発表される。東海地区では地域性で3校目に至学館が選ばれたこともあり、緊張はさらに増した。

表情が硬くなる保木淳監督

いよいよ近畿地区の発表だ。1校目から東洋大姫路、智辯和歌山、市和歌山、天理、滋賀学園と順当に名前が呼ばれていく。全員が固唾を呑んで見守る中、日本高野連の寶馨会長が名前を読み上げたのは滋賀短大附。その瞬間、会場は歓喜に包まれ、保木監督は学校関係者と握手を交わした。

学校関係者と喜びを分かち合う保木淳監督

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