野本大智。「逆に開き直った」今シーズンを回顧
2021年に特別指定選手として加入した野本大智は今の滋賀レイクスで最も在籍期間の長い選手である。昨シーズンはプレーイングタイムの激減やB2降格などを経験。今シーズンも調子が上向きだった3月3日の愛媛オレンジバイキングス戦で負傷するなどもどかしい時間を過ごした。だが、それら全てはB1昇格への伏線に過ぎない。B2プレーオフに向けた彼の熱い胸の内を聞いた。(収録:2024年4月26日の囲み取材)
Q:B2プレーオフ直前ですが、今のコンディションを教えてください。
すごくいいと思います。福岡戦で(4月5日vsライジングゼファー福岡GAME1)一回復帰した時と比べて越谷戦(4月20日・21日vs越谷アルファーズ)の方がよかったですし、越谷戦よりも今の方がコンディションはいいです。
Q:B2プレーオフに向けて取り組んでいることは?
ここから何か新しいこと、プレーオフだから特別なことができるとは思っていないので、今までに積み上げてきたものをブラッシュアップさせて、より良いものを作るイメージでやっています。
Q:個人として最も成長した部分は?
今シーズンはハンドラーとしてプレーする時間がかなり増えて、状況判断などはよくなったと思います。でも、まだまだ成長できる伸びしろの部分はたくさんあると思います。あと、チームとしてディフェンスを激しくやるという中で、僕が先頭に立ってやらなくてはいけないことだと思うので、その部分も今シーズンは良かったところかなと思います。
Q:ハンドラーとして求められた役割があったから、必然的に成長できたのか?
それぞれのガードに役割や特徴はありますけど、ガード陣がディフェンスをハードにやっているところを見せることで、コートに出ている選手に自分ももっとやらなくてはいけないと思わせることも僕の仕事だと思っています。質問の答えになっているかわからないですけど、今シーズンはハンドラーとしてそういう役割を与えられているから成長できていると思います。
Q:昨シーズンのB2降格が決まった時の気持ちを改めて教えてください。
すごく悲しいとか、すごく悔しいとか、そういう気持ちはありましたし、ファンやブースターさんの悲しんでいる姿が印象的でした。
Q:B2降格が決まった昨年5月7日の京都ハンナリーズ戦は出場時間が15秒でした。もどかしい思いもあったのでは?
ん〜、昨シーズンはHCが2回交代して、バスケットの部分とか、役割の部分で、自分でもわからなくなっていたところもあった。(京都戦に限らず)確かにもどかしさもありましたけど、逆に開き直って次のシーズンに向けてワークアウトなどいろんな準備に取り組んでいましたし、その辺が今シーズンはよりコートの上で出せているのかなと思います。昨シーズンはああいうシーズンでしたけど、悪いシーズンではなかったですし、コートに立つ時間は短かったですけどコートの外からいろんなことを見て、自分のためにはなったシーズンだったかなと思います。
Q:滋賀レイクスに残留した理由は?
チームがB2に落ちてしまったままでは…。自分の中でも不完全燃焼でしたので。今シーズンはB1に戻れるチャンスもありますし、そのチャンスをホームで戦える権利も僕らにはあるのですごく楽しみです。
Q:滋賀レイクスで4年目の今シーズンはどんな気持ちで戦ってきた?
僕のキャリアの中でターニングポイントになりうるシーズンになるだろうなと思ってシーズンに入りました。特に昨シーズンはあれだけプレーイングタイムが少なかったですし、やはり選手としてはプレーして魅せることが仕事だと思っていました。そういう意味でも、今シーズンは本当に大事なシーズンになるなと思っていました。
Q:調子が上がってきた中で3月3日にケガをしてしまったが、その時はどんな心境でしたか?
自分の中では正直、今シーズンがめちゃくちゃ良かったとは思っていなくて…。改善点もいっぱいあったし、シュートの確率もあまりよくなかった。その中で(2月最後の)越谷戦やケガをした愛媛戦は動きも良かったですし、調子も上がってきていたと思います。なので、すごく残念な気持ちでした。でも、ちゃんと診断を受けて、プレーオフには間に合うということだった。まだまだやれるというのもあったのでネガディブにはならず、すごくポジティブでいられました。周りも声をかけてくれましたし、みんながコートで頑張っている姿を見て早く復帰してこのチームの力になりたいという気持ちでリハビリをしていました。
Q:リハビリ期間中にあせる気持ちはなかった?
無いと言えばウソになるけど、でも一番大事なのはどこか、プレーオフが一番大事で、その軸みたいなものがはっきりしていた。なので(4月5日の)福岡戦で復帰した時に(足が)あまりよくないなと思って、そこで無理して出ることなく休んだり、次の神戸戦もどうしようかというところでしたけど休む選択ができました。何が一番大事かがわかっていたからできた判断だと思います。あせりがなくはなかったですけど、うまくケガを治すことができたと思います。
Q:今のチームでは最も在籍期間が長いですが、その分、チームをB1に復帰させたい思いも強いのかなと思います。
そうですね、もう古株ですね(笑)。でも、本当にそういう気持ちはありますし、昨シーズンのあの悔しさを知っているメンバーの1人としてB1に上がることに集中したいです。滋賀レイクスに関わる全ての方の悲願でもあると思うので、それを達成できるようにがんばります。