岡田泰希、覚醒す(3)
ドライブもある、が強み。
岡田泰希はシューターだが、いわゆる“ピュア”ではない。自分でリングにアタックすることもできるため、相手チームからすれば非常に厄介な存在だろう。
比較するわけではないが、対照的な存在として元レイクスの狩野祐介(佐賀バルーナーズ)を挙げておきたい。狩野は3Pラインで構え、パスをもらってシュートを放つことが多いピュアシューターである。
この2人は11月6日に対戦し、試合ではバチバチにやりあっている。この時、岡田は3Pシュート2本を含む8得点、狩野は2得点だった。
狩野は約15分の出場で3Pシュートの試投数(アテンプト)は2本。試合後には「元チームメイトのモリ(森山修斗)から2度のベスト3P成功率賞を受賞した選手には簡単に打たせられないですよと言われた(笑)。でも、その中でチャンスとタイミングを見て打つのが自分の仕事だと思います。また佐賀には金丸(晃輔)さんもいます。身長もあってインサイドで2点も取れるし、ほかにも色々できる。自分とは別タイプ。僕が出た時は違う流れが出せるように意識しています」と話していた。
狩野がレイクスにいた頃、「打ち続けるのが自分の役割」と言い続けていたが、まさにそれが彼の持ち味であり、スペシャリストとして生きる道である。
一方の岡田はどちらかと言えば金丸と同じく“色々できる”シューターだろう。自らボールプッシュし…
ドライブでリングにアタックもできれば、キャッチから速いモーションで3Pシュートを沈めることもできる。ユーティリティ性では狩野よりも上だろう。また、パスも出せるため相手チームにとっては対策しにくい選手でもある。岡田は自身のプレーについてこんな見解を述べている。
「(HCやチームメイトが)自分のことを信頼してくれて、そこで自分がファーストスクリーンというか、最初の仕掛けを任されている。そこは本当に自信を持ってこれからもやっていきたいなと思っています。(対策を練られてきたが)自分は得点を取るのが仕事だと思うんですけど、それにこだわりながらも、別に自分が活躍しなくてもそれでフリーの選手を作れるならば、全然それでいいと思っています。自分はあくまでオフェンスするきっかけになればいいと思っていて、自分が行くのか、パスをするのかという選択を、これからは本当にレベルの高い選択をしていくのが自分の課題というか、今出ている問題だと思うので、自分を潰しに来ているのならばそこをしっかりとパスでさばいて、味方をフリーにさせていけたらなと思います」
狩野が上か、岡田が上か論争をするつもりはない。ただ、今のレイクスに必要な選手は自らを輝かせるスペシャシリストではなく、自分の存在でチームを輝かせる岡田のようなユーティリティプレーヤーかもしれない。その上で、岡田がこれからどんなスペシャリストへと成長するのか。本当の“覚醒”はこれからだ(完)
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