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【高校】夏季長野県大会決勝戦 見どころ紹介

◇決勝戦 飯山―佐久長聖
(8月10日午前10時、長野オリンピックスタジアム)

特別な夏の決勝戦は、昨年の優勝校・飯山と一昨年の優勝校・佐久長聖の顔合わせとなった。絶対エース・常田擁する飯山に対し、厚い選手層を生かしてきた佐久長聖。チームカラー、戦い方と大きく異なる両校は近年、公式戦での対戦もなく、試合展開が読みにくい。それだけに楽しみな決勝戦の行方を予想した。

飯山は、同一の公立校が2年連続で決勝に進出した観点では、89、90年に連覇した丸子実(現丸子修学館)以来になる。吉池監督の母校といのも縁だ。連覇すればそれ以来ということになる。

佐久長聖の決勝進出、さらに優勝しても2年ぶりになる。昨年夏こそ初戦敗退したが、それまで7年連続の決勝進出、そして1年おきの優勝は県内で群を抜く戦績。1年おきの法則に当てはめると、今年は優勝年だが、どうなるか。

試合展開は飯山の常田にかかっていると言っていい。常田は5日の準々決勝で164球完投、8日の準決勝では117球で完投している。中1日で迎える決勝戦にどの程度、疲労を回復し臨めるか。競り合になった前の2試合で控え投手を投入できなかったことを考えると、よほどの展開にならない限り常田一人で行くと思われる。当日の気温も気になるところだ。

その常田を援護したい打線。3番塚田、4番佐藤、5番鈴木に当たりが出ている。9番馬場もつなぎ役以上の働きをしている。長聖投手陣はスピードこそないが、きちっとコースを突き、変化球の精度の高さはこれまで対戦した投手とは一味違うだけに、飯山の打者がどう対応できるか注目される。

長聖投手陣は継投で勝ち上がってきた。エース梅野がリリーフを担っており、8日の準決勝では103球を投じている。梅野は真っすぐが120㌔後半、主に先発の羽毛田は120㌔中盤が平均。スピード以上に内外のボールの出し入れ、勝負球の変化球の切れの良さが相手打者を苦しませてきた。またけん制もうまく、飯山が機動力を使うのは容易でなさそう。

打線は1番山田、3番藤原、5番楠、7番野沢の左打者が好調。2巡目、3巡目に相手投手に対応してくることが多く、常田をどう攻めてくるか。

肩の状態が思わしくない飯山・佐藤捕手は、これまで常田とのコンビで機動力を極力封じてきた。ただ徐々に回復してきている。一方、堅守のはずの長聖は準決勝では内野陣が3つの失策。ここは修正してくると思われる。

点の取り合いは想像できない。両校投手が踏ん張りロースコアで進めば、どちらに転ぶか分からない。特別の夏にふさわしい好ゲームを期待したい。

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