nines WEB

【社会人野球レポート】上田硬式野球倶楽部が創部 誰もが野球を楽しめるチームを目指して⑤

創部以来、初めての主要大会となった9月の都市対抗野球予選。上田倶楽部は一次予選進出決定戦で2勝し、堂々と1位で通過した。しかし翌週の一次予選では、決定戦で勝った相手に雪辱を果たされ2連敗で敗退。快進撃から一転、現実を見せられた、ほろ苦い初舞台となった。

【ライター・山﨑竣】

↑ 千曲川と再戦となった一次予選

◇一次予選進出決定戦(9月5日、6日・佐久総合運動公園野球場)
▽1回戦
上田6-5千曲川
▽第1代表決定戦
上田10-5佐久

↑ 初の都市対抗予選となった上田倶楽部

1回戦は千曲川クラブと対戦。中盤まで0-3と主導権を握られたが、7回に一挙5得点の猛攻で逆転。格上の相手に6-5と金星を挙げ、公式戦初勝利を飾った。勢いそのままに翌日の佐久コスモスターズ戦は序盤からリードを奪い、10-5で快勝した。

手の内を知られていないため、「初出場のアドバンテージがあった」と中島健代表兼選手(24・篠ノ井高-長野大出)。2連勝で第1代表として一次予選に駒を進めた。

↑ プレーでもチームを引っ張る中島代表


↑ 攻守に存在感を放った平坂将騎(24・松代高-松本大出) 。千曲川戦では殊勲打

◇一次予選長野県大会(9月12日、13日・長野オリンピックスタジアム)
▽1回戦
上田0ー6千曲川
▽第3代表決定戦
上田3-4佐久

千曲川との再戦となった1回戦。被安打を3に抑えながらも11四死球を与え6失点。2試合で21安打と好調だった打線も散発の3安打に抑えられ、0-6で敗れた。
負けると敗退が決まる第3代表決定戦では佐久と再戦。中盤まで3-0とリードしていたが、8回に2死から5連打を浴び3-3の同点。9回には失策が絡んでサヨナラ負け。一次予選敗退が決まった。

↑ 打率5割と大当たりの湯本旬祐(24・帝京第三高出)

同一カードでの顔合わせで、2連勝から2連敗し一次予選敗退となった。「がっぷり四つに組んだときにチームの差が出た」と中島。課題だった大事な場面での失策や四死球の多さが、負け試合では目立った。

主戦の左腕・西内巧真(23・須坂東高-松本大出)が先発も中継ぎもこなし、全4試合に登板。野手兼任の投手や短いイニングで古田将大(24・小千谷西高-長野大出)も投げられるが、信頼して送り出せる投手がもう1枚欲しいところだった。

加盟1年目ながら選手は揃ってきたが、ディフェンス面に課題を残した。シーズン終盤の大会、来季に向けて投手陣の整備、守備の強化は待ったなしだ。

打線は長打のある間曽唯斗(19・長野工業高出)や出塁率の高い中島、田中魁(25・帝京三高-杏林大出)などを中心にある程度の得点は期待できる。しかし上位進出するには好投手の攻略は不可欠で、得点パターンを増やすことが求められる。

 

↑ 先発、中継ぎと全4試合に登板しフル回転の西内巧真

一次予選進出決定戦1位で、10月16~18日に石川県で開催される北信越クラブカップへの出場権を得た上田倶楽部。1回戦でロキテクノ富山と対戦する。

10月末からは来年度の全国大会を懸けた全日本クラブ選手権の予選がスタート。初めての都市対抗野球で得た経験を糧に、上田倶楽部はシーズン終盤の戦いに臨む。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ