nines WEB

【高校長野大会】開幕までに見ておきたい④ 長野・小澤海斗

内視鏡による右肩の手術から約1年。長野の右の本格派、小澤海斗(3年・信大附属長野中=長野東柳クラブ出)が、最後の夏に間に合った。魂が乗ったボールで、チームに流れを呼び込む。

↓ けがから復帰した小澤

身長178㌢の長身からバランスのいいフォームで、130㌔後半の球速をマークする小澤。昨夏の代替大会1週間前もAチームの練習試合に出場していたが、安打で出塁し一塁帰塁の際、右肩の関節唇を損傷した。

手術をすれば完治するまで「9カ月以上」かかる診断。3年夏に間に合う保証はなかったが、小澤は「自分次第だと思って決断した」。

7月の代替大会中に手術。新チームになった秋の大会では、チームが県大会に進む快進撃を見せた一方、「焦りもあった」という中でリハビリに費やした。

12月には軽いキャッチボールを再開。順調そうに見えるが、「投げる怖さや痛みがあったり、肩周りの筋肉が硬くなったり、そこからが長かった」と、冬場は気持ちの晴れない日々が続いた。

それでも4月には、練習試合で短いイニングながら登板できるまでになった。「ここから投げないと夏に間に合わない、と腹をくくった」と小澤。春の大会も登板予定だったが、チームは初戦で惜敗し、出番なく終わった。

肩の状態にはまだムラがあると言う。少し状態がいいと「つい投げ過ぎてしまい、腕に張りが出ることもある」。はやる気持ちを抑えながら万全を期す。

左腕エースの小嶋凌生(3年)の安定感が増したため、夏は小嶋が軸になる。武田圭弘監督は「小澤のボールには魂が乗り、チームを奮起させる力がある」と、その役割に期待する。

小澤は「チームメートや多くの方に支えられてきたので、結果で恩返ししたい。流れを呼び込む投球をする」と、一球に魂を込める。

↓ 小澤(右)と主砲の堀内

【長野】初戦はBシードのウェルネス長野(都市大塩尻ブロック)
投手は小嶋凌が主戦。昨秋から経験のある右の小嶋宗雅(2年)、右サイドの田沼幹斎(3年)、そして小澤の4人が計算できるようになった。武田監督は「これまで打撃のチームと言ってきたが、投手陣が良くなり守備からリズムをつくっていける」と自信を深める。打線も力がある。捕手の中村渓介主将、堀内貫太の中軸は強打が期待できる。一方で「下位打線も打てる」(武田監督)と、ムラが少ないのが強みになっている。

↓ 調子が上がってきた投手陣

↓ 自信を持つ攻撃陣

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ