【高校】信州工高出身の新潟産大付・吉野公浩監督インタビュー(下) また行きたくなる
厳しい練習や規律で知られた信州工高と亜細亜大を卒業した新潟産大付の吉野公浩監督。〝昭和な指導〟も連想させるが、甲子園に出場した産大ナインの頭は丸刈りでなく、爽やかなヘアスタイルだった。インタビュー後半は、教員指導者ではない吉野監督はどんなアプローチで生徒たちと接しチームを作ってきたのか、そこに大輪さんの指導はどう息づいているのかを聞いた。
↓ 新潟大会を制し優勝監督インタビューに応じる吉野監督
(写真:新潟野球ドットコム提供)
↓ ナインズの企画で教え子の広島・菊池選手と対談する大輪さん(左、2014年)
―脱丸刈りは信工―亜大のイメージではないが
吉野監督 コロナで練習できない期間、生徒に毎週テーマを与えてリポートを書かせました。その中で、野球人口を増やす方策を500字以上で考えろーをテーマにしたとき、「自分はいいが、坊主頭になるのが嫌でやらなかった仲間がいる」とか、そんなことをみんなが書いてきました。丸刈りが高校野球やらない要因なら、それはやらない方がいいと思いました。
―すぐに髪型を自由にしたのか
吉野監督 どこかで変えないといけない考えはありました。それで去年、慶応や土浦日大、新潟県内なら中越とか、髪を伸ばしてきたチームが活躍しました。変に意地を張ったり、固定概念で押し通したりするのもなーと思っていました。去年の夏が終わって新チームになったときに、秋の大会で負けたから丸刈りをやめるは嫌だったので、秋の大会前に生徒に説明し、髪の毛を解禁しました。丸刈りの選手もいますが大半が髪を伸ばしています。やっぱり嫌だったんですね。一応、髪型にはルールをつくっています。
―監督就任8年。厳しかった大輪さんの教えで残しているところと今風の吉野スタイルは
吉野監督 高校に入って大輪さんに一発目に怒られたのはトイレのスリッパの脱ぎ方。普通に脱いでいたら、「誰だ、これ!」と一喝。今でもそれは覚えていて、監督室でも家でも靴をそろえて並べています。一瞬で沁みついてしまいましたね。だから、生徒には「次の人のことを考えてやりなさい」とか言いますが、やっていない者もいますね。脱いだ服をたためとか、挨拶はちゃんと言えとか言いますが、家庭の習慣もありますし、厳しすぎても今は駄目。グラウンドの中では全力疾走、全力プレーは当たり前のことで、大輪さんに教えていただいたことは引き継いでいかないといけないと思っています。ただし、今の時代に合わせていかないといけないですし、〝時代遅れの人間〟を育ててもいけない。スマホもいいし、SNSを見るのもいいが、ただ投稿はするなと。一線を越えることは大問題になると、一社会人として大事なことだと伝えています。
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