OKINAWA Island Hoops

“ディフェンス”で我慢した美来工科(男子)、スピードに“高さ”加えた石川(女子)が全国へ ウインターカップ沖縄県予選・第3回沖縄アリーナカップ

 小中高の各カテゴリで沖縄県の頂点を決める第3回沖縄アリーナカップの最終日が20日、同アリーナで行われ、第67回県高校選手権大会兼第77回全国高校選手権大会(ウインターカップ2024)県予選の男女決勝を実施した。

 男子は美来工科が興南に72ー64で勝利し、頂点に立った。女子は石川が西原に98ー68で圧勝し、優勝を飾った。県予選を制した両校は12月に東京で開かれる全国大会「ウインターカップ2024」に沖縄代表として出場する。

猛追受けるも#97屋良誠志郎が勝負所で得点 男子

 男子決勝は、美来工科の強烈な先制パンチで幕を開けた。オールコートプレスで興南のターンオーバーを誘い、ファストブレイクを連発。得点源である#9当真祐斗と#53岸本恵多郎の連続得点などもあり、前半を47ー27と大差を付けて折り返した。

 しかし、後半に入ると流れが一変。興南が高さのある留学生コンビを中心にインサイドを攻め、さらにリバウンドを支配して怒涛の追い上げを見せる。第4Q中盤には一時3点差まで迫った。

 それでも最後は、留学生とマッチアップし続けた#97屋良誠志郎が勝負所で3Pとゴール下シュートを決め切り、ディフェンスの強度も維持して辛くも逃げ切った。

 屋良は「留学生とはミスマッチになるので、オフェンスで中に切り込み、外にさばいたりするプレーを繰り返しました。リバウンドを取らせないところも意識しました」と振り返り、優勝については「うれしいです」と笑顔を見せた。

 夏に対戦した時に比べ、興南の留学生のディフェンスとリバウンドが予想以上に向上していたと話した宇地原尚彦コーチは「選手たちが粘ってくれました。第3Qからヒヤヒヤでしたが、勝てて良かったです」と安堵の表情を浮かべた。全国に向けては「スモールバスケットで走ったり、プレスディフェンスを仕掛けたりして、ベスト8にいきたいです」と目標を語った。

留学生の#12ラソウルがゴール下を支配  女子

 激しいプレッシャーと素早いトランジションを武器とするチーム同士の対戦となった女子決勝は、序盤からシーソーゲームが続いたが、第2Q終盤に石川が抜け出す。180cm超の高さがあるセネガル出身の留学生、#12ボリー・アイダ・ラソウルがゴール下で存在感を発揮し、オフェンスリバウンドからシュートを押し込んだり、フリースローを確実に決めたりして46ー38で前半を折り返した。

 2年生のラソウルは転校したばかりで、本大会においては決勝が初出場となった。時間が経つことに連係が改善し、パスまわしからいいタイミングでインサイドにボールが入るようになり、後半はさらに支配力が増した。

 チーム全体で最後まで前線からの激しいプレッシャーを貫き、エースである#11城間瑠華も得点を重ねて危なげなくライバルの西原を退けた。

 1年時からエースを張る城間は「最高の舞台で3年生を中心にみんなで力を出し切れたので、とても嬉しいです。序盤は自分たちのペースがつかめなかったのですが、第2Q終盤から自分たちのディフェンスからファストブレイクを出せたので、そこから流れが良くなりました」と笑顔。全国大会に向けては「今年から高さも出てきたので、そこにフォーカスしつつ、まわりとの連携を取ってベスト4以上を目指したいと思います」と意気込んだ。

 崎浜秀勝コーチも全国ベスト4以上を掲げる。その上で「全国ベスト8くらいのチームは大体見えているので、そこの壁を破るために何をすべきかということは、選手たちも感じています。辛抱できるチームが強いので、攻防におけるミスを減らしたい。あとは決めるべきシュートを決める。我慢ができれば、いざ第4Qでの戦いとなった時に勝ち切れるチャンスはあると思います」と全国での躍進を見据えた。

男子優勝の美来工科

女子優勝の石川

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