【金城茂之の目】「今はどのチームも岸本選手を…」アルマ加入も効果大 アウェー大阪2連戦の評価、3BIGの課題など 琉球ゴールデンキングス
Bリーグ1部(B1)西地区の琉球ゴールデンキングスは2、3の両日、大阪府のおおきにアリーナ舞洲で同地区の大阪エヴェッサと連戦を行い、96ー79、95ー84でいずれも勝利を飾った。これで連勝を「4」に伸ばし、通算成績は8勝3敗。西地区首位の島根スサノオマジックと勝敗数で並び、2位につける。
大阪との1戦目は第3Qに37ー16というビッグクオーターをつくり、第2戦は序盤から抜け出した。2試合とも要所でオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを決めたり、激しいチームディフェンスでターンオーバーを誘ったりして、安定した試合運びを見せた。
3年連続でチャンピオンシップ(CS)ファイナルに進出した昨シーズンまでの主力がごそっと抜け、新チームとなったキングスが、なぜここまで好調を維持できているのか。そして、今後の課題は何なのか。Bリーグの解説も務める金城茂之氏に独自の視点から語ってもらった。(聞き手 長嶺真輝)
目次
◎大阪とのアウェー2連戦の勝因は…
◎広島戦から見えた「起点」の変化
◎オフェンス面でアルマがもたらす“恩恵”
◎“3BIG”のオフェンスが重たい理由は…
◎京都とのホーム戦は「チャレンジマッチ」
プロフィール
金城茂之(きんじょう・しげゆき) 琉球ゴールデンキングス4代目主将。bjリーグでの4度の優勝を全て経験し、当時背負った背番号「6」はチームの永久欠番。引退後は仙台89ERSのアシスタントコーチに就任。現在は地元沖縄を拠点に自ら立ち上げたバスケ塾「Try Error Retry」でコーチを務めたり、Bリーグの解説者をしたりして精力的に活動中。
大阪とのアウェー2連戦の勝因は…
ーーー大阪との2連戦の評価はいかがでしたか?
「大阪視点で言えば、今はどこのチームも岸本隆一選手を抑えられなくて、そこからキングスに崩されています。大阪も1戦目は岸本選手を止められなくてディフェンスが全体的に緩くなってしまっていました。2戦目は序盤から鈴木達也選手がボール出しからかなりタイトについて、ボールを触らせないようにしていたんですけど、岸本選手を抑えたところで、今度はヴィック・ロー選手がボールを運び、岸本選手以外のところのディフェンスが緩くなってしまっていました。大阪のオフェンスは起点が少なく、キングス優位で試合が進みましたね」
ーーーキングスのインサイド陣の支配力も目立ちました。
「ジャック・クーリー選手やアレックス・カーク選手、ケヴェ・アルマ選手らキングスのインサイド陣と、大阪のビッグマンの相性が良かったですね。大阪はマット・ボンズ選手のように速さのある外国籍選手はいますが、高さがないので、ゴール下で守れない。ハーフコートのディフェンスではアルマ選手やロー選手が一人で止めることができていました」
ーーー大阪は6勝5敗で西地区4位となりました。金城さんが仙台89ERSで共にコーチを担った藤田弘輝HCが率い、キングスと同じ地区で気になる存在ですが、大阪にとっては痛い連敗となりました。
「ファウルにはなってしまいましたが、2戦目で点差が離れた時、飯尾文哉選手がロー選手にすごいプレッシャーをかけた場面がありました。藤田HCはあれをスタンダードにしたいはずです。これはどのチームにも言えることですが、選手たちも人間なので、自分たちで強度を上げたり、スタンダードを維持したりしているつもりでも、緩んでしまう時はあります。チームとして再度、やるべきことを再確認する時期なのかもしれません。あと、藤田HCはピックを何度もかけたり、展開を多くしたりしてディフェンスの対応を遅らせるオフェンスを好むので、そのあたりももっと成熟度を高める必要がありそうです」
広島戦から見えた「起点」の変化
ーーーキングスは4連勝となり、10月30日にマカオであった東アジアスーパーリーグ(EASL)のアウェー戦でも接戦を勝ち切りました。特に得点力の高さが目立ちますが、何が好調の要因なのでしょうか?
「スタートのメンバーで言えば、岸本選手を中心にピックゲームができますし、それがダメならロー選手やアルマ選手で起点づくりができる。そこもダメだった場合も、クーリー選手のインサイドで得点ができる。起点がすごく多くなったことが目立つポイントの一つですね」
ーーーそれは開幕直後に比べて「多くなった」という印象ですか?
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