だからこそ警察は別の容疑を加えてきた・・・警察はいつでもアダルトショップを潰せる -ろくでなし子再逮捕 [4] -(松沢呉一) -3,985文字-
「アダルトショップのバイブやオナホールはアダルトグッズではない? -ろくでなし子再逮捕 [3]」の続きです。
コンドームは医療機器
続いてコンドームの話も書いておきます。アダルトショップの重要アイテムですし、これがまた微妙な商品です。
コンドームは、製造するのに厚労省の許可が必要な「医療機器」です。ラテックス製の医療用手袋などと同じジャンルです。あの手袋も、肛門の拡張をしたり、前立腺を刺激したり、トコロテンをさせたり、潮を吹かせたりする時に使用するなど、性風俗産業、とくにSM業界では女王様たちが間違った使い方をよくしてます。快楽を高めるためにはめるわけではなく、衛生のためなので、場面は間違っていても、目的は間違っていないか。
医療器具ですから、アダルトショップに置かれていても性具にはならず、コンドームショップはアダルトショップにはならないというわけです。
厚労省の立場としてはセックスはあくまで子どもを作る行為であり、コンドームはその延期のための避妊具、また、妊娠のための障害になる性病の予防具というとらえかたをしていて、その範囲でしか製造ができません。快楽を求めるものは作ってはいけないのです。
すべり止めとしてのザラザラや段はその目的に合致した機能としてつけられるのですが、快楽を高めるためのイボイボはつけられない。イボイボが快楽になるかどうかは置くとして。
日本のコンドームが限りなく薄くなったのはここで勝負するしかなかったとの事情があったりします。
以前、コンドームメーカーに聞いた時は、海外で出ているような、匂いつきや味付きのコンドームは日本では許可されないという話でしたが、今はそういう商品も出ています。
ここにリンクしたコンドームはチョコレートの香り。「女の誰もが甘いニオイが好きだと思い込むんじゃねえよ、ヒック」と怒るウワバミ女子もいらっしゃいましょうが、検索してみたら、他にもいろんな香りのコンドームが出ているんですね。
アロマフレーバーのコンドーム「anan」というのもありました。ロゴがananのままです。提携しているのか。
以前に比べると、基準がゆるくなったのか、「チンコが臭いとセックスの障害になるため、その防止である」とかなんとか、快楽とは別の実利的な名目をつけているのでしょうか。
これ以上やるとアフィリ狙いのブログみたいになるのでやめておきます。
輸入もののコンドームを扱っている店もありますが、国内の許可を得ていないメーカーのものは、パッケージなり、棚なりに、「ジョー ク商品です。コンドームとしては使えません」といった説明がなされているはず。これまた客がどう使うかは知ったことではないとして。
アダルトショップに行くと、堂々と突起のついたサックが売られていますが、性具として認められるわけがないので、指に入れて赤ん坊をあやしたり、水槽の中に入れて熱帯魚とともに鑑賞する道具として販売されているはず。そんな説明をいちいちしないですけど。
警察がアダルトショップをターゲットにしてきた意味
昨今は輸入ものの性具を扱っているショップもあって、海外のディルドやバイブレーターにはリアルなものが多く、あからさまに男性器です。薬事法に違反するとともに、その気になればいつでも警察はわいせつ物陳列で摘発可能です。
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