松沢呉一のビバノン・ライフ

富田安紀子を例に写真著作権を確認する 3-ゆるゆる著作権講座 12-(松沢呉一) -2,860文字-

 

 

 

無知な上に傲慢な富田安紀子

 

vivanon_sentence富田安紀子を例に写真の著作権を確認する 1」「富田安紀子を例に写真の著作権を確認する 2」に書いてきたのが写真著作権の概要であり、「富田安紀子はお話にならない」というのが結論ですけど、「著作権に無頓着な物書きは信用できない」に書いたように、とくに明確な敵と対峙する覚悟のある人は、著作権に慎重であるべきであって、慎重さのない人は信用ができない。

富田安紀子がそのリスクをよく見せてくれました。彼女は、「敵」と言っていい「知らせ隊」のサイトから写真をパクったわけで、こんなもん、叩かれるに決まってますよ。どんだけ甘ったれているのか。これも著作権に無知であるがための図太さでしょう。あるいはマゾか。

それでも自分の非を認めて素直に謝っていたなら、「以後気をつけてください」で済んでいた可能性もあるわけですけど、それ以降の対応は「もっと私を追いつめて」と言っているに等しい。マゾか。

とは言え、これで訴訟を起こしたところでたいした賠償金はとれず、時間の無駄ですから、いかに富田安紀子が著作権で無知であり、その上、傲慢な人間かをわかりやすく物語るエピソードとして末永く利用するのがいいでしょう。

 

 

身内にも厳しくあるべし

 

vivanon_sentence富田安紀子のような情けない人間にならないように、これでメシを食っている人たちは、最低限、著作権のことは知っておいた方がいいと思います。

文化庁の「著作権テキスト」をマスターすればたいていのことに対応できます。これって、以前は「著作権ハンドブック」として有料で販売していたものじゃないですかね。それが今はタダで読める。だったら、読みましょう。

しかし、世の中には法律自体を理解できない「法律難読症」とでも言うべき人たちがいます。たんに頭が悪いのではなくて、利害が対立する関係の元で調整をする法の役割が理解できないのではないかとも疑えます。「社会の中での私」「私と他者」という考え方ができない人。わたなべりんたろうも富田安紀子もそういうニオイがちょっとします。

こういう人たちにとっては初心者向け基礎講座である「著作権テキスト」でも難しいかもしれないので、「はじめて学ぶ著作権」をおすすめします。

 

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小学生向け。でも、実際、このレベルから始めた方がいいでしょう、あの人たちは。

富田安紀子の何倍も悪質な著作権侵害をやらかした「レイシストカウンター」をまだ解決できていないわけで、こっちサイドの人たちもちゃんと勉強すべし。

山本夜羽音は「レイシストカウンター」に関わってませんし、私は批判を加え続けていますから、富田安紀子をも批判する資格はありますけど、「身内」に甘いと、いざという時に対抗できなくなりますよ。

 

 

著作権侵害の非親告罪化がもたらすもの

 

vivanon_sentence今までは「ここは文句をつけてこないだろう」という読みのもとで、無断転載をやってきたりしていて、事実、問題はさして生じなかったわけですが、今後はそうはいかないかもよ。

以前も軽く触れてますが、著作権法の非親告罪化がいよいよ現実のものとなってきています。どうもこれは避けられないよう。

 

 

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