台湾の桃色・フランスのローズ-台北報告 雑談編 3(松沢呉一) -2,458文字-
「台北は寒い。そこで温泉-台北報告 雑談編 2」の続きです。
台湾の桃色
私はおピンクライターでもあるので、あえて探そうとしなくても、ピンク色はついつい目に入ってきます。
前に書いたように台湾における言語的なエロの色は黄色です。ピンク映画は「黄色電影」、エロ小説は「黄色小説」であるのは大陸と一緒。中国語はどこでもそうでしょう。しかし、現実の黄色にはそういう意味はほとんどないよう。
中国語の「桃色」は「女の色、かわいい色」であり、事実、言語的にエロの意味はありません。英語圏と同じ。
「ピンクはエロの色」というイメージが妨害しないためか、ピンク色(桃色だけじゃなく、つつじ色を含む)は広く飲食店の看板や広告で使用されていて、バスの車体でもよく見ました。タクシーは基本色が黄色で、広告がピンクだったりします。中日のエロ色が合体です。
エロ関係の看板でもピンクは使用されてますが、他でも使用されているので、とくにエロということではなさそうで、文字なり地なりで赤を使っていることの方がずっと多いかと思います。
左の写真はアダルトショップ。COSWASのメンバーに歓楽街をガイドしてもらっていた時にあった店で、中に入りたかったのですが、大人数だったので、素通りしました。
この看板は赤地の白抜き文字です。この赤はつつじ色系で、広くピンク色に含まれることのある色ですが、私の感覚としてはピンクとはちょっと違います。
台湾の紅燈
エロ系看板には金赤系ではなく、大陸で多用される赤、つまり紅色系が使用されていることもあります。これも他で使用されているので、とくに意識はされていないのだと思いますが、言語的なエロは黄色だとして、現実の色としては、赤なり紅なりがエロの色になるのはわかりやすい。なにしろ歓楽街を紅燈というくらいで。
2001年に公娼は廃止されたのですが、今もその建物は古蹟として保存されています。この公娼館が再開発の動きの中で取り壊される危機にあり、今回私が台北に行ってきたのは、日本の浄化作戦を手本にする台北の動きに対して、台湾がそれを真似るのは無効であり、無謀であることを説明するためです。
これについてはまた改めて書くとして、この「文萌楼」の個室の照明は赤です。今も赤いライトが点きます。日本で言うところの紅燈、英語のRED LIGHTです。
赤い照明は、世界各国の娼館で用いられており、以前、神戸かどこかのヘルスでも使用していて、そこの女子によると、「赤いライトはシワが消える」と言ってました。
どこでもそういう意図で赤いライトを使用しているのかどうかまでは不明ですが、たしかにそうなのです。歳がわかりにくくなります。
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