ノーベル賞のスウェーデンはどんな国?—少しも役に立たないスウェーデン・ガイド-(松沢呉一) -2,682文字-
スウェーデンの音楽
ノーベル賞事務局がボブ・ディランと連絡がとれないことが話題になってますが、私も携帯を持ち歩かないし、しばしば料金未払いで止められているし、バッテリーが切れていることも多いしで、「連絡がとれない」とよく文句を言われます。今ほど、ボブ・ディランを身近に感じたことはありません。
ノーベル賞と言えばスウェーデンですが、北欧には行ったことがないので、スウェーデンがどんな国か全然知らない。知っているのは福祉国家とエレン・ケイとクリスチーナ・リンドバーグと性教育とフリーセックスと夏至祭とIKEAと北欧メタルとABBAとベルイマン。これで全部。
その程度しか知らないので、以下の話は適当です。何の参考にもしないでください。
細かく言えば、メタルとABBA以外で、いくつかのバンドを知ってます。Fra Lippo Lippiとか。
Fra Lippo LippiをリリースしていたUNITONレコードは、他にもちょっと面白いバンドをリリースしてましたが、全部忘れました。
プログレ時代だと、Zamla Mammaz Mannaです。
久々に聴きました。このアルバムは持っていたのですけど、この頃、すでにニューウェーブに走っていたので聴き込んでおらず、新鮮です。
IKEAもエロ
クリスチーナ・リンドバーグと性教育とフリーセックスと夏至祭とIKEAは同じジャンルです。エロです。
IKEAのTidy up(片付けましょう)シリーズは、こんなんばっかで、IKEAを好きになります。日本のIKEAのイメージとまったく違います。「日本人はお堅いので、こういうのはダメらしい」と本国で判断したのか、日本の代理店がそう判断したのか。悲しい。
あのタイプのバイブレーターは、かつてヨーロッパでは主流でした。日本でも「熊ん子」登場以前は、スティック・タイプのバイブがありました。写真で見ただけですが。
では、夏至祭がなんでエロかというと、ハメハメ祭なのです。
エストニアに留学している木野トシキというのがいますが、木野君もエストニアからスウェーデンに遊びに行っているくらいで、東京から沖縄に行くよりうんと近い。隣国みたいなもんですから、夏至祭がエロなのも似たようなもんじゃなかろうか。
彼のブログ「エストニア共和国より愛を込めて」に今年の夏至祭の写真が出ていました(ブログが移転する前に出ていた写真)。夜でも空が明るくて、人はいても静謐な感じ。私の頭の中にある夏至祭とは全然違う。
私の中にある北欧の夏至祭は乱痴気。食って飲んで踊って歌って、最後はセックスです。
こんな感じ。
これはドイツのIKEAが制作したものです。ドイツにおける北欧の野暮ったいイメージを誇張しているわけですけど、夏至祭は「食って飲んで歌って踊ってセックスして」というものだったのは事実。日本の盆踊りと同じです。
そのことは以前から知っていたのですけど、盆踊り同様、セックスしまくりは昔のことだろうと思って木野君にこの動画を見せたら、「エストニアもだいたいこんな感じ」と言ってました。そうなんか。そいつは楽しい。
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