松沢呉一のビバノン・ライフ

最強のマゾ・名古屋のユッキー-[ビバノン循環湯 435] (松沢呉一)-5,467文字-

 10年くらい前にメルマガに書いた原稿です。

 

 

指の爪全はがしプレイ

 

vivanon_sentence名古屋にユッキーというマゾがいる。私は会ったことがないが、彼は32歳で、マゾとして生きていくしかないような人物である。

メディアに出ているわけではないため、名古屋でも広く知られる存在というわけではないのだが、話を聞く限り、名古屋でもっともレベルの高いマゾと言ってもよく(何をもってレベルの高さを決定するのかってことでもあるのだけれど)、日本でも有数のマゾであることは間違いなさそうだ。

京都のSMバー「バルバラ」の龍崎飛鳥ママが飼っているマチャコというM男さんがいる。その知名度は、日本のマゾの中でも、5本の指に入るかと思う。女王様たちが焼きゴテやメスでマチャコの体に自分の名前を落書きしており、もう空きスペースがない状態である。

傷の数なら、傷男(キズオ)さんというマゾも負けてない。彼は自傷も好きで、剣山の上を転げ回って血まみれになったりする。剣山だと、一人プレイでも効率的にいっぱい傷をつけられるわけだ。ただ、キズ男さんはもう歳なので、マチャコの傷だらけの体の方が鮮やかかと思う。

このマチャコもすごいのだが、痛みに対する忍耐度で言えばユッキーの方がマゾ度は高い。なにしろ手の指の爪を全部剥がしても、声ひとつ挙げずに耐えた。これは爪を剥がしたSMクラブ「涼泉」のオーナー櫻井瑠奈さん本人の証言。ちなみにペンチで剥いだのでなく、爪の間に画鋲を刺して持ち上げて剥がしたそうだ。

ユッキーはスパイになるとよさそうだ。どんな拷問にも耐えるだろう。でも、拷問されたくて、自分で捕まっちゃうかもしれず、相手が男だと、すぐにゲロしそうだ。

 

 

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