松沢呉一のビバノン・ライフ

「Making-Love Club」掲載の座談会—狼煙派の決起[上](松沢呉一)-2,266文字-

なぜ日本国民は大政翼賛に走ったのか—心のナチスも心の大日本帝国も抑えろ[5]」の続きみたいなもんです。

 

 

 

「Making-Love Club」最新号掲載の座談会

 

vivanon_sentence発行から二ヶ月近く経ってしまいましたが、「Making-Love Club」の5号に中川えりな、佐藤医師、アキラ・ザ・ハスラー(張由紀夫)、私の座談会が掲載されています。

以前、このメンツ+αでメシを食べたことがあって、今回も顔見知りが茶をすすりながらダベッただけですけど、読む機会があったら読んでちょ。

Making-Love Club」取り扱い店は左のリストを参照のこと。通販にも対応しちょります。2号・3号は品切れです。

そこにあるように最新号は売り切れの店が出ています。出版社や書店で働いている人はおわかりかと思いますが、一店舗で20部、30部が売れて追加するって、ものすごいことです。私の本を一店舗でそれだけ売るのはほとんどないでしょう。販売している店舗数が違うので、比較することはできないんですけど、それにしてもです。

しかも、今回、座談会を読んで、自分が大学生だった時代に、ただだべったことをこれほど要領よくまとめることができたとは思えず、あらためて中川えりなはたいしたもんだと思いました(彼女は今も上智大の現役学生)。

中川えりなについては「チンコの生えた女たち—裸の文脈(6)」参照していただきたいのですが、彼女はチンコを持っているため、マンコを持っているゲイ+ゲイもどき(私)チームとすっかり仲良しです。そもそも大学生の小娘が、彼女の倍以上生きているおっさんたちとマブダチなんですからおかしなもんです。

 

 

女子医は待ち時間が減ってよかった?

 

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この座談会では、SNSは情報や集団をワンワードに単純化することの問題や、クラスター・プレッシャーについて語っていますが、メインテーマは東京医科大です。

「ビバノン・ライフ」では、長い時間をかけて、女性議員率男女別学について書いてきて、長過ぎて理解するのが難しかったかもしれないですが、この座談会を読むと、そこからの流れがスッキリと理解できようかと思います。

私だけでは説得力ってもんがないですけど、医師から現場の話が語られていて、私が主張していたことの裏づけがなされています。

私はなんとか壁を乗り越えたいと奮闘していたのですけど、世間一般には、東京医科大の問題は東京医科大という特定の大学が入試において女性差別をやったという事実を確認して終わりそうです。

大学病院で働く外科医たちの苛酷な労働環境は改善されず、よって今後も少なからぬ女性医師は出産を機に非常勤に切り替え、医師不足は加速し、たらい回しが増え、医療事故が増える。これでいいのかなあ。

これでは医療現場での女性医師に対する忌避感情が高まりかねないので、女性医師たちにとってもいいわけがないと思うのだけれど、現にそうなってしまいそう。

家が近いため、女子医大病院をかかりつけにしている知人が、女子医大病院は以前に比べて空いていて、待ち時間が減ったと言ってました。2014年の医療事故以降、患者数が減ったと報じられてますから、人が死んだおかげです、よかった、よかった。って喜んでいいはずがない。亡くなったのは子どもですからね。大人だってダメだけど。

 

 

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