松沢呉一のビバノン・ライフ

防犯カメラは防犯に役に立つ(当たり前)—防犯カメラのある性風俗店[下]-[ビバノン循環湯 523] (松沢呉一)

東京・神戸・名古屋の違い—防犯カメラのある性風俗店[上]」の続きです。

 

 

 

東京でも個室内に防犯カメラがたまにある

 

vivanon_sentence関東でも、極一部ながら、カメラを個室に設置している店がある。

あるヘルスに初めて入ったところ、通路の天井に、カメラらしきものがついている。

シャワールームに行く際に「これ、なんだよ」と女のコに聞いた。

「フフフフフ」

「カメラだろ」

「そうですよ」

「堂々とつけているよね」

「でも、今まで気づいたお客さんは一人もいませんよ」

見るからにカメラという型ではなく、ホテルの天井などについている半円形のプラスチックで覆ってあるカメラなので、わからない人にはわかるまい。露骨なものにすると、客が嫌がるからだろう。

「普通、お客さんはエッチなことで頭が一杯だし、緊張している人も多いから、天井を見る余裕なんてないですよ」

私の場合、初めて行った店でも、我が家に帰ったかのように落ち着いているので、内装や設備も気になるんである。

このカメラは、新人のサービスチェックと、危ない客のチェックに使われているそうだ。ベッドの上に立って見渡したら、カメラは二つしかついておらず、角度からすると、二つの個室しかカメラで見ることはできない(この店の仕切は、上が広く空いている)。

「だから、新人の女のコとか、危なそうな客は、この二つの部屋に入れるんです」

私が入った個室もそのひとつ。この時は体験取材だったので、店としても気になるのだろう。

「でも、店の人が見ていると思うと、緊張するなあ。しっかりやらなくちゃ、って思って」

「アハハハ、そっちは緊張しなくていいじゃないですか。私はもう慣れましたけど、最初は手を抜くと怒られると思って緊張しましたよ」

そう言いながら、ブチューとキスをしてきて、大胆な感じっぷり。この子って、もしかすると、見られていることで興奮しているのかも。

「カメラがあるのに、こんなに感じて」

「イヤー、恥ずかしい」と言いながら、しっかりイッていた。羞恥プレイみたいなもんだ。

私も関西ノリの恥知らずなんで、しっかりシックスナインで足を広げて放出。

しかし、店内は暗い上に、壁が邪魔して、つぶさには個室の中は見えないに違いない。帰りにフロントの裏を覗いたが、モニターはなく、彼女自身、映像を見たことはなく、実際には注意されたこともないと言っていた。もし本当に客の監視用だったら、もっとわかりにくい設置方法をとるだろうから、ことによるとダミーのカメラかもしれない。本番強要するような客には、「カメラがありますよ」とあのカメラを教えればさすがにおとなしくなるってわけだ。

ダミーなのか本物なのか気になるので、またあの店に行ってしまいそう。

Kodak, 1910s

 

 

写真撮影のオプションは要注意

 

vivanon_sentence個室内はともかくとして、フロントか待合室にカメラを設置しておかなければいけない時代になってきているのではないかとも思う。

そのことを実感する事件があった。

ポラロイド写真を撮れるオプションがよくある。ボラのオプションができるコでも、ほとんどのコは顔はNG。たしかに、よっぽど裸に特徴がなければ、顔を隠した写真だけではどこの誰かまずわかるまい。オッパイの形に特徴があったり、ホクロがたくさんあったところで、彼氏や夫はともあれ、友だちや親だって全裸を見る機会などなく、バレることなどまずない。女のコは髪型を頻繁に変えるのが多いから、髪型に特徴があったところで特定するのは難しいだろう。

そう安心しきっていると、とんだことになる。

 

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