コロナ・オリンピックのメダルより自主隔離(自己隔離)—ウイルスとウイルス恐怖症に覆われる世界[4]-(松沢呉一)
「咳が出て熱があっても病院に行かない理由と陽性率—ウイルスとウイルス恐怖症に覆われる世界[3]」の続きです。
自主隔離終了
鼻水と咳がまだちょっと出てますが、自主隔離は今日で終わらせます。当初の見込み通り、軽い風邪でした。月曜日の夜からなので3日間です。短いな。
とあるディスカウントショップの店員が「ダンナ、今度の水曜日の朝、例のブツが入荷しますぜ」と耳打ちしてくれていたのに、昨日は自主隔離中だったので、行けなかったぜ。
うちはトイレットペーパーもティッシュペーパーもいっぱいありますから、行く気もなかったですけどね。私は備蓄が好きなのです。ビーチクも好きです。
だから、当面買わなくていいんですけど、世間の人たちがそれらを貴重品に格上げしてくれているため、さらに買いたくなってしまいます。だから、いつまでも品切れが続きます。天井までトイレットペーパーやティッシュペーパーが積まれている家も増えていましょう。
異常でしょ。異常であることを自覚することが異常がもたらす破滅を回避する第一歩。
もともと異常であることを自覚している私は備蓄していたわけですが、自覚なきまま異常になっている人が急増していることが問題を生じさせています。
感染症を受け付けている病院にも異常な人が押し寄せて騒いでいるのではないかと想像していたら、実際、病院がパニック状態になっていると言っている医師もいます。
ちょっと前に聞いたところによると、都心のクリニックは、近隣の会社の人たちが自宅勤務になって予約のキャンセルが相次いでいるとのことだったので、感染症以外の病気だったら、そういうクリニックに行くといいかもよ。電車に乗ることが苦じゃなければ。
※写真と本文のディスカウントショップは無関係です
人はデータとして病気になるのではない
前回書いたように、基礎疾患がある人は優先的に検査をした方がいいことは言うまでもありません。そちらの病気で通院、入院するわけですから、感染していると院内感染させてしまいかねない。院内感染は感染する人たちだけの問題ではなく、業務が停止してしまうので、死ななくていい病気の人まで死にます。
また、感染者と接触のあった人も速やかに検査した方がいいですが、その体制ができれば、あとはどうでもよくね? どうせ病院でも対処療法しかできないんですから、病院に行く意味がない(これも前回書いたように、また下にも書いてあるように、陽性の証明が必要なこともありますが)。
人は数字として感染するのではありません。人として感染するのです。その個人がもっともリスクの少ない方法を選べばいい。
「コロナ・オリンピック」に参加した気分で「日本はもっと感染者がいるので、メダルを狙えるはずだ。もっと検査しろ」って思っている人たちがいそうです。たしかに検査数を増やせば感染者数が増える可能性はありますけど、どうせ金メダルの栄誉は中国で確定なんだから、そんなに頑張らなくていいって。
軽い症状の人たちについては「病院に行け」よりも「自主隔離しろ」と呼びかける方が大事です。それによって感染していても数字に反映されないまま治癒するケースが出てきますが、それに何か問題があるのか?
BBCが推奨する自主隔離
「風邪をひいた時に家で寝ている」っていつものことですが、何か気づいていない注意事項があるかもしれないと思って、自主隔離するに当たり、「自主隔離の方法」で検索したら、BBCのこの記事がトップに来ました。
2020年2月28日付「BBC NEWS JAPAN」より
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