松沢呉一のビバノン・ライフ

休戦記念日に見るヨーロッパと北米のマスク率の違い—マスク・ファシズム[付録 2]-(松沢呉一)

スペイン風邪流行時のマスク写真—マスク・ファシズム[付録 1]」の続きです。

 

 

 

ヨーロッパでもオーストラリアでもマスクはしていない

 

vivanon_sentenceスペイン風邪流行時、ヨーロッパと北米では、マスク率が違うと前回書きました。

では、比較をしてみましょう。

 

1918年11月11日、第一次世界大戦の休戦記念日(Armistice Day)です(正式な終結はヴェルサイユ条約の締結ですけど、実質この日で戦争終了)。

 

Armistice Day Celebrations at Municipal Chambers, 1918

 

ロンドンじゃないかもしれないけれど、英国のどっかの市議会議事堂前。

この時、スペイン風邪の真っ盛りですが、拡大しても一人としてマスクをしてません。マスク率ゼロ。

 

以下は同日のパリ。

 

Americans join the celebration on the Grand Boulevard on Armistice Day for World War I in Paris, France, Nov. 11, 1918. (AP Photo)

 

他の写真を見ても、なぜかパリでは多数の星条旗がはためいています。米軍がパリに駐留していたためでしょうか。トリコロールらしき旗も見えます。

こちらもマスク率はゼロです。

 

 

以下はシドニー。

 

 

A crowd at Martin Place, Sydney, celebrates the news of the signing of the Armistice on November 11 1918.

 

オーストラリアの国旗が振られています。最前列右の人がマスクをしているように見えます。マスクではなく、何かしらの布を巻いているようでもあります。他にも口元が見えない人がいますが、はっきり何かで口を隠しているのは1人。顔がわかる人の中ではマスク率4パーセント。

オーストラリアもヨーロッパ系(これはあくまでマスクについてです)。

 

 

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